特定非営利活動法人タートル 情報誌
タートル 第24号

1998年10月9日第三種郵便物認可(毎月3回8の日発行)
2013年9月9日発行 SSKU 増刊通巻第4599号

目次

【巻頭言】

『食事のようにバランスよく!!』

運営委員 市川 浩明 (いちかわ ひろあき)

最近は、コンピュータ機器等の進歩が著しくあるようで、その恩恵を受けて、我々視覚障害者も色々な職種にチャレンジしているようです。情報機器の進歩は、スマートフォンや、タブレット端末の普及等の段階にも入ってきており、段々と利用者も増えてきているようです。

そんな昨今、よく相談を受けることがあります。「パソコンが苦手だけど就職できるかなぁ?」「どうしたらもっとパソコンを活用できるかなぁ?」「パソコンに強くなれば、就職に繋がると思うのだけど…」Etc.

勿論パソコン操作を含めて、IT全般に通じていることは、良いことであり、力強い武器になることは間違いないと思います。しかし、それだけでは無いと思いませんか?
何故、面接があるのでしょうか?何故、仕事未経験者でも就労できるのでしょうか?
自分自身の魅力、もしそれを「人間力」と定義したら、「人間力」は、とても大切だと思いませんか?

では、「人間力」はどのように身につけたらいいのでしょうか?ここで、ひとつ質問です。今、あなたにもし、肩書きが無くなったら?もし、仕事を離れたら?家族以外に、自分のことを本当に心配してくれる友達が何人いますか?
今年これまでの間に、仕事の関係、団体の関係、障害者とヘルパーさんの関係ではないところで、どれだけの人と友達になれましたか?
若いうちは、幼馴染や学友など、親友や友達関係を沢山作っていきますね。大人になり、仕事にも就いて、競争もあり、遠慮もあり、段々友達と呼べる人が少なくなる…。ましてや、悩みもお互い打ち明けられる友情を築くのは、難しくなるかもしれません。振り返ってどんな人間関係を構築したでしょうか?これから何人の人とその様なお付き合いが出来るでしょうか?本当に私を必要としてくれる人は何人出来るのでしょうか?

ところで、私は、中途視覚障害です。急に見えなくなった時の心情。もう治らないと分かったときの絶望感。そこからの色々な苦労や、希望、挫折、達成感。皆さんと、同じような境遇を歩んできていると思います。
初めて、視覚障害者の他人と接したのは、「タートル」でした。数年が経過し、今、同じ境遇の仲間が出来たことを感謝しています。
そして、食事と同じようにバランスの良い人間関係を作ることはとても大切だと思います。視覚障害者だけでなく、健常者の方は勿論、視覚障害者以外の障害者との友達関係でも…。プライベートで遊べる、色々な相談の出来る友達は本当に大切だと思います。

今年も残り4ヶ月。色々な出会いの中、何人もの友達を作り、切磋琢磨の中で、「人間力」をアップすれば、他人に信頼され、また会いたいと思われるそんな人になれると思います。それは、面接を通過すること、新たな職場での良好な人間関係をスムーズに構築すること、更に色々な業務に携われること、という結果に結びつくと思います。
今年の年末、12月31日。○○に旅行に行ったなぁ。○○の資格を取った。○○のパソコン操作を完璧にマスターした。と同じように、「今年は何人の友達が出来た」と、振り返ってみては如何でしょうか?
これからも沢山の出会いがありますように!!

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【総会結果報告】

事務局長 杉田 ひとみ

(社福)日本盲人職能開発センターに於いて6月8日に開催された平成25年度通常総会の報告をいたします。議案は提案通りに承認をいただき、新役員も加わり本格的に今年度の事業が動き出しました。新たな取り組みとして、毎月開かれる「タートルサロン」、助成金による「就労支援ガイドブック作成事業」等があります。

◎総会審議事項

第1号議案 平成24年度事業報告
第2号議案 平成24年度収支決算報告
第3号議案 平成24年度監査報告
第4号議案 任期満了に伴う役員の改選
第5号議案 平成25年度事業計画(案)
第6号議案 平成25年度予算(案)
※議案書は情報誌タートル23号に掲載されている。

議事に先立ち、司会の新井愛一郎副理事長より本総会の会員数230名に対し、直接出席30名、委任状出席113名(ハガキ46・メール67)、総出席者数143名となっていることが報告された。そのうえで、定款第26条の規定による会員総数の2分の1以上に達していることが報告された。

次いで本日の総会の役職員の選出について、理事会より、議長に下堂薗保理事、書記に長谷川晋、議事録署名人に松坂治男理事長と杉田ひとみ理事が提案され、出席者から理事会に一任との声があり、提案通り承認された。

下堂薗議長は議長就任挨拶に引き続き、事務局(司会者)から報告された事項を確認のうえ、この総会は成立している旨を告げ、総会の開会を宣して議事に入った。

1.第1号議案 平成24年度事業報告

松坂理事長より事業について一括しての報告があり(詳細は議案書参照)、それに対して、出席者より質疑があった。

質疑@:S氏
今回は役員の改選時期に当たるが、議案書の中に役員改選に際しての立候補者名簿などが入っていないが、事前に会員に提示しておくべきではないか。委任状の提出に混乱が生じるのではないか。

回答:松坂理事長
次回より、そのようにする。今回は第4号議案で改めて提示することでご了承いただきたい。

質疑A:S氏
情報提供事業報告のうち「寄付金・助成金の新設は、予算の関係で来期に行う」とあるが、補足をお願いしたい。

回答:松坂理事長
これまで寄付金などで協力してくれた団体や個人などに謝辞を示す場所がなかったので、それを会のホームページなどに設置したいと考えていた。本年は業務の多忙などにより実施できなかったので来期以降の活動とした。

理事長からの回答に対しS氏の提案
仕事の分担を見直したり、業務の一部をアウトソーシングするなどして、個人の負担を減らし、効率的な組織運営の方法を検討していただきたい。

質疑(要望)B:S氏
ボランティアの活用について話があったが、同行援護の職場への適用範囲拡大のためにも、タートルとして積極的に取り組み、必要性のアピールに努めていただきたい。

回答:松坂理事長
ボランティアの定着、増加の2つの方向性で引き続き取り組んでいきたい。

質疑C:S氏
相談事業において「専門家にも相談対応していただき、連携を強化した」とあるが、これについて補足をお願いしたい。

回答:工藤正一副理事長
会として会社に直接アプローチするのは難しい面もあるので、眼科医を通じて産業医に手紙を出した事例があったことを示している。今後も産業医を一つのターゲットとして考えていきたい。ただし、会社の規模などにより、産業医がいないところもあり、また地方によって状況も違うので、ケースに応じて柔軟に対応する必要がある。また専門家の連携も重要であるが、相談事業の主体は当事者団体であるタートルの会員が中心となって実施していくべきだと考える。

以上の質疑を経て採決の結果、第1号議案は拍手多数により承認された。

2.第2号議案 平成24年度収支決算報告

収支決算報告書を杉田理事に代わり晴眼者が読みあげて報告とした。
議長は、第2号議案は第3号議案と一緒に採決を行う旨を述べ、出席者の了承を得たのち、議事が進められた。

3.第3号議案 平成24年度監査報告

伊吾田伸也監事より会計監査報告(詳細は議案書参照)が、大橋由昌監事より第1号議案でのS氏の要望にも関連するが、組織として高齢化への対応を行い、会員全員で活動を支えていく必要がある、などとの業務監査報告があった。
議長による採決の結果、第2、第3号議案は拍手多数により報告通り承認された。

4.第4号議案 任期満了に伴う役員の改選について

次期役員候補者が理事会より推薦された。

@理事
安達 文洋・新井 愛一郎・和泉 森太・金子 光宏・工藤 正一・熊懐 敬・重田 雅俊・篠島 永一・下堂薗 保・杉田 ひとみ・長岡 保・藤井 貢・藤田 善久・星野 史充・松坂 治男・湯川 仁康

A監事
大橋 由昌・伊吾田 伸也

B運営委員紹介(理事会にて選任)
長谷川 晋・的場 孝至・梅沢 正道・神田 信・大脇 俊隆・中村 太一・松尾 牧子・吉泉 豊晴・前田 青・市川 浩明・杉本 常美

議長による採決の結果、第4号議案は拍手多数により提案通り承認された。
ここで一旦総会を休憩とし、新理事による協議に入った。

議事が再開され、新理事の協議において、互選により理事長に選任された松坂氏から、理事長に松坂治男、副理事長に工藤正一、新井愛一郎が就任する旨が報告された。

5.第5号議案 平成25年事業計画(案)

各事業担当理事より提案内容の説明がなされた(詳細は議案書参照)。

質疑@:K氏
相談業務について。相談対応を行なうためには、それなりのスキルが必要であり、会としてそのスキルを継承してゆく必要がある。現在、相談業務はどのような体制で行われているのか。

回答:工藤副理事長
松坂理事長以下、工藤理事、下堂薗理事、新井理事、熊懐理事、和泉理事(北海道)、星野理事(名古屋)、湯川理事(大阪)、藤田理事(福岡)、篠島理事、高橋医師で対応。働いている会員は、日中の対応ができないので、主に下堂薗理事が電話で対応し、その後、面談などにつなげている。相談業務は労務、就業規則などの知識も必要である。

議長による採決の結果、第5号議案は拍手多数により提案通り承認された。

6.第6号議案 平成25年度予算(案)

収支予算書(案)を杉田理事に代り晴眼者が読み上げ、提案とした。

議長による採決の結果、第6号議案は拍手多数により提案通り承認された。

議長は、以上をもって会員総会の議案全ての審議を終了したことを宣し、12時00分に散会した。

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【総会記念講演】

『日本盲人職能開発センターの視覚障害者への就労支援』

(社福)日本盲人職能開発センター施設長
杉江 勝憲(すぎえ かつのり)氏

1.自己紹介など

ご紹介いただきました日本盲人職能開発センター施設長の杉江です。補足しますと、私は約40年間にわたり、障害者の支援に携わらせていただいており、その大半が視覚障害の方々ですが、そのうち10年ぐらいは、国リハや伊東重度の施設で、肢体不自由の方々や、頚髄損傷の方々への支援もさせていただきました。

さて、どんな話をさせていただくか思案しましたが、当センターの歴史については、私よりもずっと長くこのセンターに関与している方が多数おられます。他方、平成23年から、当センターは障害者自立支援法の枠組みに移行しましたが、その自立支援法も今年から総合支援法に変わりました。私がお話できるとすると、法律の体系が大きく変わっていく中で、日本盲人職能開発センターが、創設者である松井新二郎先生の意志をいかに引き継ぎ、時代に合わせてどんなことをやっているかについてお話するのが一番よいと思い、そういう視点でお話を申し上げます。

2.センターだよりの発行

先ず、お手元にお配りしている資料について説明いたします。私共では、『センターだより』を大体1年に1号ずつ出しています。タートルもそうだと思いますが、私共も支援者や理解者を増やしていきたいし、もっと率直に言うと、支援の資金をいただきたいこともあり、広報誌としてこれを発行しています。視覚障害にも対応ということで、当然データもありますし、MP3に差し込むと音声が出る仕掛けもしてあります。

お手元には6号(さくら色)と7号(薄緑色)を御配りしています。6号については、私共が平成23年から新しい体系(障害者自立支援法)で実施している、最新の事業全体がわかるようなコンセプトでつくっています。開いていただくと、私どもが現在やっているサービスが、一目でわかるように作られています。最新版の7号は、実はまだ理事会だけにしか配っていない出来立てのほやほやです。あとで触れますが、掲載している内容は、就労移行支援の2年間の実績を特集しています。

なお、お配りしていませんが、本日はお話できない当センターの歴史については、3年前に発行した5号で取り上げております。5号は、この四谷に当センターが松井先生と共に移って来て、東京ワークショップという施設を立ち上げてから30周年を記念して制作したものです。ボリュームは6、7号の2倍ぐらいありますが、当センターの歴史が一目でわかる内容になっています。ご希望があれば差し上げますので、どうぞ申し出てください。

3.当センターの3つの基本理念

先ずは、当センターの基本理念ですが、それは施設運営の憲法ともいうべき定款に掲げられている目的を、3本柱に整理したものです(2007年)。

1番目は、「視覚障害者の職業を開発し、訓練と指導を行い社会復帰の促進を図る」というものです。松井先生が目指されていた視覚障害者の職業を開発すること、そしてトレーニングをして社会に復帰していただくことが、やはり、当センターの根本理念です。例えば、私共は就労継続支援B型という事業を展開しています。これは旧法でいうと、身体障害者の授産施設です。簡単に言うと、私共のところに来て作業をしていただき、利用者の方に月給に当たる工賃を収得していただく、そういう場を提供する事業です。

どうしても歴史に触れることになりますが、当センターで、松井先生は盲人カナタイプライターを普及させ、そのタイプライターを活用して、議事録を起こす作業を授産施設の仕事としました。昭和55年に東京ワークショップという形で、四谷に移ってきましたが、身体障害者の通所の授産施設は全国でも初めてで、第一号なのです。

仕事の内容も、カナタイプライターから始まって、現在は、パソコンを使用して議事録をつくる作業をしています。カセットテープで録音する時代からデジタル化の時代への変化に即応して、「聞き書き君」というソフトを開発しました。こうしたことが、基本理念1番の「職域を開発する」ということであり、私共の大きな使命であると思います。

2番目の理念として「利用者の意向を尊重し、多様な福祉サービスが総合的に提供をされるように創意工夫する」、3番目として「利用者の個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援する」があります。障害者基本法という法律が制定されていますし、障害者自立支援法はいろいろと問題はあるにしても、その理念の部分や総合支援法においても、地域で自立した生活をするというコンセプトは変わりません。この後半の2つは、そこに向けての応援・支援をするということです。それが、当センターの使命になります。

とくに視覚障害者の職域を開発すること、そして事務系の仕事に就く支援をすることが、当センターが松井先生からの思いを引き継いでいるところです。ここが、これからの説明をする事業展開の根幹です。当センターは何をしているかと一言でいえば、「事務系の仕事を提供している」「事務系の仕事に就く支援をしている」という2つに尽きると言っても過言ではありません。

4.総合支援法に基づく2つの事業

続いて、当センターが現在やっている内容に入ります。まず、障害者総合支援法の事業という枠組みで捉えられる事業が大きく2つあります。

1番目が就労移行支援です。障害者自立支援法の枠組みにそって、平成23年から新しく取り組んでいる事業です。その中に3つのコースを設けています。その1つが基礎コース、2つ目が応用コース、そして3つ目が速記コースです。とくに当センターならではという特長は、速記コースですので、そこから説明いたします。

速記コースは、先に述べた就労継続支援B型と切っても切れない関係にあります。B型では議事録をつくっていますが、そのためには、パソコンを通じて速記の形で打ち込み、文字化することが必要になってきます。その方法ですが、フルキー六点漢字入力という方式を使っています。そのソフトも、当センターと開発会社がタイアップして作成してきた歴史があります。速記コースというのは、その六点漢字入力方式を身につけるためのコースなのです。

パソコンに詳しくないので、受け売り的な話をいたしますが、日本語ワープロから今日のパソコンによる文章入力の歴史を振り返ると、日本語の場合は、漢字の変換が、視覚障害者のみならず、晴眼者にとっても、1番ネックだったわけです。漢字を変換する時には、同じ音でいろいろな漢字があります。スクリーンリーダーを使えば、解説があるのでエンターを押して特定し、正しい漢字を選ぶというやり方を皆様もお使いになられていると思います。

しかし、この速記コースでは、その漢字を直接入力するのです。直接入力をする時の原理・文法にあたる部分が、長谷川貞夫先生が考案された六点漢字入力方式です。簡単に原理的に言いますと、その漢字の音訓の頭文字と振り分けられたシフトキーを打つと、その漢字が出てくる仕組みになっています。1年間そのトレーニングをして、教育漢字から始めて常用漢字までマスターした上で、就労継続支援B型の作業に入るわけです。そのトレーニングをするのが、就労移行支援の速記コースになります。もちろん、速記コースは就労移行支援ですから、建前では就職をめざしています。一部の人は、議事録作成スキルを活かして、配置換え等により企業に継続勤務しています。

次に、基礎コースについては、随時入所で定員が4名から6名、週2回程度、6カ月で大体80時間で仕上げるようになっています。訓練の内容は、タッチタイピングからインターネットの基礎、文書作成やデータ処理までを行っています。基礎コースの平成24年度の就労実績は、就職した方が4名です。ヘルスキーパー、治療院に勤めている方、社会福祉事業団の事務に勤めた方、そして機能回復訓練で、どちらかというと三療の免許をお持ちの方が就職されています。基礎コースだからといって就職率が低いというわけではありません。例えば三療の免許を取られた上で、パソコンの技術を身につけたい方もいるし、いままで働いていて辞めた方で、少しパソコンを覚えれば、三療の技術で就職できる方もいます。また、これまでパソコンは繰り返し使っていて、音声化スキルさえ習得すれば大丈夫な方もいるのです。

続いて応用コースです。こちらは4月、10月の入所で、毎日訓練、6カ月で約400時間の訓練をします。定員は4名から6名です。訓練内容は、Windowsの基礎から文書作成、データ処理の実務、インターネット、パワーポイント、アクセス、日商PC検定受験対策、秘書検定対策などになります。応用コースの平成24年度の就労実績は、就職者は6名で、就職先は、企業の事務職に3名、ヘルスキーパーが1名、電話サポートが1名、そして公務員に復職した方が1名です。

以上が、就労移行支援ですが、利用者のニーズが非常に高く、定員をオーバーが続いたこともあって、本年の1月から11名の定員を18名に変えています。それでも定員を超える状況になっているので、理事会に提案して今年中には18名を20名にしようと考えています。

続いて「就労継続支援B型」についてお話をします。これは先程来触れていますが、旧法でいう通所授産施設です。こちらの定員は40名です(就労移行支援と合わせたトータルの定員は60名未満で運営していくつもりですので、就労移行支援が20名に増員されれば、38名ということになります)。

議事録作成作業の流れを少し詳しくお話します。受注先は厚生労働省が全体の約7割を占めています。例えば、中央労働審議会や社会保険審査会、薬事審議会等々、厚生労働省は各方面の専門家に集まってもらい、今後の政策に活かすための審議会を沢山やっています。その審議会に出向いて、録音を採って来るのです。私共のB型の特徴の1つですが、約40名の協力者(有償ボランティア)に随所でサポートしていただいております。

先ず、審議会に行き音声を収録する作業ですが、これは複数の協力者にお願いしております。1人は、各審議員のマイク毎に音声を採ります。1人の方はメモを取ります。メモというのは大事です。何々審議員の頭出しの部分をメモするのです。そうしないと、誰が発言したかがわからなくなります。難しい単語についても、解説を入れるメモを取ります。そのメモを、こちらに戻って音声にした形で打つ方である利用者の方に渡します。

次にタイピングですが、B型を利用されている視覚障害者が受け持つ部分です。この方法が、先ほど来申し上げている、六点漢字による直接入力方式です。つまり、スピードを上げるために、音声の変換をする分を飛び越えて、直接我々がものを書くのと同じような形で、音声を聞いて打ち込む作業をします。我々はワードでローマ字入力等をしますが、フルキー六点漢字では三点さわると同時に、一文字が出て来ます。動かす指の範囲が狭く、とても速いのです。これにより、何とか晴眼者に負けないスピードと確実性を身につけることができるのです。

協力者のもう1つの役割は、チェッカーとも言いますが、校正です。それも、ただ校正をして、直して納品するのではなく、それをタイピングした利用者にフィードバックしてもらっています。そうすれば、自分がどう間違えたかがわかり、各利用者のスキルアップにもつながります。作業はその難易度によりAから5段階ぐらいに分かれています。作業の難易度が高いほど、当然支払われる工賃は高くなります。どんどんスキルを磨いていただき、難易度の高い作業にチャレンジしていただくようなシステムを作っています。

あまり触れることもないので、工賃についてお話しておきます。工賃は月額ですが、ここ2、3年は少し下がってきていて、平成24年度で85,000円ぐらい、その前までは9万、さらにその前までは10万円を確保していました。事業報告にも書いておりますが、残念ながら平成24年度は、消費税の税務調査で修正申告に応じ、それが工賃の低下を招くことになりました。それでも、8万円台というのは、B型の全国平均は15,000円にも届かず、全国でもトップクラスだと思います。

当センターでB型の方が長く続けられる1番の要因は、十分とは言えないにしても、やはりそれなりの工賃と年金で、ある程度生活ができるという点ではないかと思います。2番目としては、やりがいがあるところが大きいと思っています。当然、守秘義務はあるわけですが、日本の最先端の情報に接して、それを議事録としてまとめる作業は、非常に高い達成感を味わえるものだと思います。利用者の皆さんからも、そんな仕事への誇りやプロ意識がひしひしと伝わって来ます。

ところで、先程の平成24年の月額平均工賃の実額は、84,372円です。この3年間ではちょっと最悪ですので、私共としては工賃アップに取り組もうと思っています。

5.職業能力開発訓練事業:事務処理科の2つのコース

職業能力開発訓練事業とは、簡単に言えば、民間の職業訓練校(今は職業能力開発校と言いますが)の障害者版と言えようかと思います。障害者用の職業能力開発校としては、中央の職業リハビリテーションセンターをはじめ、全国に十数カ所の国・公立の施設がありますが、私共の職業能力開発訓練事業=事務処理科は、民間の能力開発施設の第1号として、平成6年に開始しています。つまり、障害者自立支援法ができるずっと前に、私共は視覚障害者に事務系の仕事に就いていただくための支援を開始したことになります。

事務処理科の中には、OA実務科と新規採用・継続就労コースの2つがあり、定員は各5名です。

OA実務科は、東京障害者職業能力開発校の委託を受けて、1年間(約1,400時間)の訓練を行います。窓口はハローワークで、費用は無料な上に、10万円前後の訓練手当が支給されます。これは、前述の就労移行支援(窓口は市区町村の福祉事務所、所得によりますが原則費用の1割を自己負担)と比べると大きな違いがあります。この辺りにも、労働VS福祉という縦割り行政の影響が及んでいるように思います。

それにしても、利用者から見ると有利なはずの職業能力開発訓練(当センターでは、OA実務科)がなぜ拡がらないのでしょうか。敢えてお話いたしますが、それは運営資金の面が大きいように思います。つまり、この訓練を実施するためには、高齢・障害者・求職者雇用支援機構に、障害者能力開発助成金第2種(運営)を申請します。しかし、もし承認されても、運営費の4分の1は運営する側の負担なのです。これが最大のネックであり、当センターの赤字の主因にもなっています。

少し話がそれましたが、OA実務科の平成24年度の就労実績は、おかげ様で、5名のうち4名が就職しました。残りの1名はB型の速記コースへの編入を希望しています。

次に、事務処理科のもう一つのコースである新規採用・継続就労コースですが、さらにその中の継続就労コースは、これだけが、唯一現職の方の利用できるコースであるという意味で大変重要で、タートルの皆様にも関心の高いところだと思います。つまり、障害者総合支援法に基づく就労移行支援は、原則的には、現在仕事がないということを前提にしていて、「働いている限り、就労移行ではない」ということで、市区町村が認めてくれない可能性が高いのです(例外的に認めてくれたケースもありますので、相談してみる価値はありますが)。従って、現職に在職したままで、唯一、胸を張ってご利用いただけるのが、当センターの場合はこの継続就労コースということになります。

新規採用・継続就労コースの定員は5名としておりますが、定員が空き次第補充しますので、年間の延べ人数はもっと多くなります。このコースのもう一つの特長は、私共の裁量で入所も訓練期間も決められるということです。ハローワークではなくて、私共に直接相談していただくということになります。

新規採用・継続就労コースの平成24年度の就労実績は、新たに就職した方が6名、現職復帰をした方が2名です。現職復帰2名の内訳は、企業の事務の方と盲学校の先生です。盲学校の先生は、中途で視力が落ち、私共でパソコンの使い方をトレーニングして現職に戻りました。

6. 2年間の就労移行支援事業の実績の詳細

お手元の『センターだより』7号では、過去2年間の「就労移行支援」事業の実績の詳細を特集しています。先程来少し触れていますが、もう少し詳しくお話します。  平成23年の4月にスタートして、平成25年の1月に定員を11名から18名に増員しています。2年間の概要ですが、在籍した方が58名で、年齢構成は20代が10名、30代が9名、40代が24名、50代が10名、60代が5名です。障害等級の内訳は、1級が22名、2級が23名(以上の合計45名は全体の約7割)、3級が2名、4級が3名、5級が6名、6級が2名となっています。性別では、男性が33名(57%)、女性が25名(43%)です。傷病別では、網膜色素変性症が11名、緑内障が9名、糖尿病網膜症が7名、先天性白内障が6名等となっています。

各種資格取得状況ですが、日商PC検定のWord3級の合格者が20名、Excel3級が19名です。秘書検定もやっておりますが、今年からは電話検定も取り入れています。秘書検定の合格者は、2級が2名、3級が14名です。

新規就職先の職種の内訳は、一般事務・事務補助が11名、ヘルスキーパー・マッサージが8名、システムエンジニアが2名、コールセンターが1名、軽作業が1名、食品製造販売が1名、研究補助が1名、パソコン指導員が1名となっています。

7.その他の事業

最後に、当センターがやっているその他の事業に簡単に触れて終わりにしたいと思います。

先ず、「視覚障害・就労支援者講習会」を年10回実施しています。これは企業等で、就労に携わる方々の裾野を広げようという目的で、高齢・障害・求職者雇用支援機構の委託でやっているものです。残念ながら、今年の開催は、今日までのところ、機構の内部決済がおりないということで、その講習会を開けない状況におかれています。

次に、視覚障害者であればどなたでも参加でき、情報交換や交流ができる「水曜サロン」や、進路や訓練など、視覚障害に関する種々の相談をお受けする「総合相談」を行っています。

それから、年に1回のイベントとして、「全国ロービジョンセミナー」を開催しています。今年は、7月20日土曜日に、戸山サンライズで行います。午前中の基調講演は、@国立障害者リハビリテーションセンターの仲泊先生による「ロービジョン医療の現実とあるべき姿」A同じ国リハのケースワーカーとして著名な久保明夫先生による「多種多様な復職・就労支援」の2本立てです。午後からのパネルディスカッションでは、テーマは「視覚障害者の就労継続支援―働き続けたい―」ということで、高齢・障害・求職者雇用支援機構特別研究員の指田忠司先生がコーディネーターで、パネリストには、JVCケンウッドのシニアマネージャー石井さん(上司)、同社人事総務勤務の井上さん(当事者、当センター訓練生)、タートルも尽力され鹿沼市役所に復職された川田さん、私共の職業指導員の廣川と佐藤を予定しております。案内はこれからになりますが是非ご参加ください。

最後に、福祉ビデオの貸し出しについては、「視覚障害者の就労継続支援〜働き続けたい〜」というタイトルのDVDを今年作成しました。上記のロービジョンセミナーのパネリストをはじめ、タートルの松坂理事長にも出演いただいております。ぜひご利用ください。

以上、私共の活動の概要をご紹介させていただきました。ご清聴、ありがとうございました。

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【職場で頑張っています】

『国立障害者リハビリテーションセンター 自立訓練(機能訓練)を終えて』

国立職業リハビリテーションセンターOAシステム科視覚障害者情報アクセスコース
訓練生 奥澤 優耶(おくざわ ゆうや)氏

私は2011年12月頃から目が見えにくくなりました。ある日、右目の中心がぼんやりと見えにくくなっている事に気づきました。そして、約2週間後に左目も右目と同様に中心が見えにくくなり始めました。

当時私は春日部にて一人暮らしをしていました。私が住んでいたアパートから徒歩で約10分程度という距離に杉浦眼科がありました。当時は「近視で目が見えにくくなったのかなぁ。眼鏡をかけるようになるのかなぁ」といった感じで、「まぁ目が悪くなったのであれば、眼鏡をかければいいだけだよね」と、気持はとても軽く考えていました(この時は視覚障害者になるとは全く考えていませんでした)。

杉浦眼科では原因不明という診察結果でしたので、独協医科大学越谷病院への紹介状を書いて頂き、独協医大にて血液検査等を行った所、私の病名は「レーベル病」であると分かりました。

私は、埼玉県所沢市に所在している国立障害者リハビリテーションセンター(以下、リハセンターと略します)の自立訓練(機能訓練)に2012年8月27日に入所しました。私の入所日は8月末ではありましたが、残暑厳しい1日でした。リハセンターはとても広く、 両親に介助してもらいながら集合場所へと向かいました。

自立訓練にて私が具体的に学び取り組んだ内容につきましては、歩行・日常・調理・IT・点字などが挙げられます。各訓練項目につきまして、1つ1つ訓練内容を説明していきます。

歩行訓練について。私の視力では主に外出時に白杖を使用する必要があります。ですので、歩行訓練では主に白杖を使用して訓練に取り組みました。白杖の使用方法について知識がなかった私は、まず白杖の持ち方や振り方から学びました。始めはリハセンターの廊下で練習をしました。訓練士さんと一緒に指導を受けながら、リハセンターの廊下を何度も何度も往復しました。訓練士さんから「外を安全に歩行する為には基礎が大切だよ」とアドバイスを頂き、一生懸命に頑張りました。リハセンター内での訓練が無事に終わり、次はいよいよ外へ出ます。当時の私は1人で外出する事が出来ませんでした。「大丈夫かなぁ?」という不安な気持ちよりもワクワクとした前向きな気持ちの方が強かったと思います。外での歩行訓練ではリハセンター周辺の歩道を歩き、しだいに距離を伸ばして新所沢駅まで行けるようになりました。駅まで行けるようになりましたので、次の目標は電車の乗降です。電車についての乗降方法を理解出来たら、「次は電車に乗車して出かけてみよう」と訓練が進んで行きました。私が具体的に電車で出かけた場所は、所沢・小手指・新越谷・四ツ谷・後楽園などが挙げられます。リハセンターへ入所した当初は1人で外出する事の出来なかった私は、歩行訓練によりどんどん移動距離を伸ばしていきました。

日常訓練について。日常訓練とは、日常生活等に係わる事について訓練をしていきます。具体的には、お金の分別方法・ATMの使用・名前を書く練習と印鑑の捺印の練習・お掃除の練習(お部屋やトイレやお風呂など)・アイロンがけやボタン付けなどのお裁縫の練習・音声時計やサインガイドなど福祉用具の紹介などが挙げられます。リハセンターへ入所した当初、私は「目が見えづらい状況でどのようにお金を分別すれば良いのか?」「お金はどのような方法で引き降ろせるのだろうか?」といった疑問がありました。また、自分の名前を自らの力で書けるようになるとは想像していませんでした。日常訓練に取り組んだ結果、お金の分別方法が分かりましたし(小銭は手で触って&重さで分かります)、お金の引き降ろし方法も分かりました(多くのATMにはATMの左側に受話器が備え付けられています。その受話器を利用してお金を引き降ろす事が出来ます)。そして、サインガイドという福祉用具を使用して、自分の名前を書く事が出来ました。実際にサインガイドを活用して成功した事例をご紹介致します。結論から申しますと、自分で封筒に実家への宛名を記入し無事に郵送出来ました。その過程につきましては、封筒用のサインガイドを使用し必要事項を記入致しました。そして、訓練士さんへ私が記入した文字を読めるか確認してもらいました。訓練士さんから「読めますよ。きっと無事に実家へ封筒は届くでしょう」と嬉しいお言葉を頂きました。そこで早速、封筒に切手を貼り(切手はリハセンターの隣にある本館という施設の中にある売店で購入出来ました)、「無事に届きますように」とポストの前でお願いをしました。2日後に母から「封筒が届きました。宛名等の文字は訓練士さんに書いてもらったの?」と質問がありました。私は得意げに「いやいや、自分で書いたんだよ」と伝えました。電話でも分かる位に母は驚きを隠せない様子で「本当に?」と一言。私から封筒に宛名等をどのように記入し郵送したのか等の経緯について1つ1つ説明し、母に理解してもらいました。この出来事は私の中で自信に繋がりましたし、素敵な思いでの1つとなっております。

調理訓練について。調理訓練とは、「目が見えづらい状況の中でどのようにお料理をするのか」等について、主に取り組んでいきます。具体的には、水道やポットからコップへ水等やお湯を適量注ぐ方法・醤油やドレッシングやソースを適量使う為の方法・包丁やピーラーの操作方法・実際にお料理を作る(煮物や焼き物や炒め物など)が挙げられます。まず初めに、ソースをかけるという作業に関しまして私の失敗談を書かせて頂きます。家族でとんかつ屋さんへ行き、私はとんかつ定食を注文しました。注文したとんかつ定食がテーブルの上に運ばれ、私はとんかつにソースをかけました。自分では適量のソースをとんかつにかけていたつもりだったのですが、父と母から「かけ過ぎだよ」と言われました。父と母の話だと、とんかつがソースまみれになってしまっていたようです(確かにとんかつを食べてみると、ほとんどソースの味でした。笑)。私は物心がついてからはこんな失敗をした経験はなかったのではないかと思っております。この経験は私にとってとても悔しかった思い出の1つであり、今後このような失敗はしたくない!と誓ったのでした。調理訓練では私1人で訓練に取り組む時もありましたが、基本的に2人以上での複数で実施する事が多かったです。複数で訓練に取り組んだ事で私が良かったと考えている点は、お互いの良い所や改善点等を話し合い、情報共有しフィードバックを行うというプロセスがあったお陰で「次の訓練ではこのポイントにフォーカスして取り組んで行こう」と、次の訓練へ繋げられやすくなったという点です。ちなみに、私が調理訓練にて作らせて頂いた主なお料理は「焼きそば・ミートソースパスタ・お蕎麦・お味噌汁・大根サラダ・サンドウィッチ・ぶりの塩焼き・クッキー・チョコレートケーキ」等です。調理訓練を通して、以前はお料理に苦手意識がありましたが、今では少しずつではありますが楽しみながら作れるようになってきました。

IT訓練について。IT訓練では、スクリーリーダー「PCトーカー」を使用していました。インターネットやワードやエクセル等の基本的な操作方法を学びました。私が職リハへ行く土台作りとなったと考えております。

点字訓練について。点字訓練では「50音・拗音・濁音・半濁音・数字・アルファベット・特殊音」について主に学習しました。パーキンスタイプライターやブレイルセンスやブレイルメモについての用具紹介もして頂きました。私は今、ブレイルセンス オンハンドを使用しておりますが、その土台作りとなったと考えております。

寮生活について。寮生活は原則2人部屋のようで、私も2人部屋でした。朝7時に起床のチャイムが鳴り、1日がスタートします。7時30分には朝食のチャイムが鳴り、待ちに待った朝食です。昼食は12時に、夕食は18時に摂る事が出来ます。健康面に関しましては、1人1人に担当の看護士さんがおりまして、体調が悪化した際にはすぐにチェックをしてくれました。寮生活ではルームメイトとの生活時間の違い等で大変な部分もありましたが、今ではよき思い出の1つです。

自立訓練に取り組む仲間との出会い。私がリハセンターに入所をした時は、自立訓練に取り組まれている利用者さん方が約10名おりました。全盲の方も白杖をたくみに操り優雅に歩行をしている姿や、それぞれのご病気等により視覚障害者となられた方との出会いは私に沢山の勇気や希望を与えて下さったと考えております。なぜならば、先輩方はとても明るく前向きに訓練に取り組まれていまして「この方々は本当に目が見えづらい方なのかなぁ?」と素直に思いました。今でも共に自立訓練へ取り組んだ利用者さん方とは、定期的に連絡を取りながら、お互いの近況等を報告し合い励まし合っております。

今後の抱負。私は4月4日(木)に自立訓練を卒業し、現在は国立職業リハビリテーションセンターOAシステム科視覚障害者情報アクセスコースにて、就職し社会で活躍する為に日々職業訓練に励んでおります。職リハでは、スクリーンリーダー「jaws」を主に活用しながら、エクセルやアクセスといったソフトウェアの活用方法等を学習し、事務職にて就職する事を目標としています。リハセンターでの自立訓練と同様に、職リハでの訓練も継続して取り組み、自己管理に気を付けながら励んでいきます。

終わりに。この度は、私の国立障害者リハビリテーションセンター自立訓練(機能訓練)につきましての体験記を、NPO法人タートル様の会報へ掲載させて頂き、とても感謝しております。私が執筆した文章を読んで頂き、ほんの少しでも前へ進むきっかけや何らかのお役に立てれば幸いです。

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【定年まで頑張りました】

『健康第一に、明日を見つめて』

会員 宮元 一弘(みやもと かずひろ)

鹿児島県在住の 宮元 一弘と申します。

第1 はじめに

私の視覚障害の現状について述べさせていただきます。“網膜色素変性症”(両眼中心部輪状暗転、左0.03、右0.04〜0.05、視野狭窄2分の1以上)で障害者手帳:1種3級です。拡大読書器で読み、パソコン(ワード・エクセル等)と拡大読書器を連携し、書類作成などを行なうほか、インターネット・メールを少々使います。しかしながら、平素、電化製品等のデジタル表示、商品名札・価格・TVや書類等説明書等の細かい文字やコントラストの低い文字が見づらく、支援を受ける場合も結構あります。歩行は、信号等に充分注意すれば、白杖を使用することは無いと言ったところです。 眼病のほかに平成16年に、関節リュウマチを発症し、手指や手首の関節の痛みと少々の変形があります。平成19年“狭心症”でカテーテル手術(ステント)を行いました。その他にも、高血圧等を含め投薬治療中です。

第2 職歴等

鹿児島の高校を卒業し、東京の化学企業に就職しましたが、その会社は公害等発生の懸念があり、2年で退職し、昭和42年3月Uターンしました。昭和43年から、鹿児島県警に平成19年春の定年まで39年間勤務しました。年前、中途視覚障害者(弱視)となり休職し、ロービジョン訓練等を受け職場復帰し、7ヶ月後に定年を迎えました。定年後、退職前の職場で3年間賃金職で継続勤務させて頂きました。現在は、健康維持のため、野菜作り等で年120日程度農作業に従事しております。

第3 病状の進行と対処措置

1 発症段階の症状と対応

43歳ごろから陽射しを眩しく感じだし、軽傷事故を起こしたこともあり、公用車運転資格を返上しました。その後更に、車両運転中もトンネル内で前方や左右の障害物が見づらく危険を感じ急にスピードを落とし、後続車に迷惑をかけることもありました。職業柄“人身事故でも起こしたら、仕事を続けられなくなる”と考え、平成7年から車の運転を止めました。この頃まで眼科医からは、病名や原因、治療方法等の説明はありませんでした。平成6年7月(47歳)の時、受診した眼科医から、病名は“網膜色素変性症”で、「難病で、治療方法が確立していない。将来失明には至らないが、生活に支障が出る。今後、遮光眼鏡の使用や内服薬等により症状の悪化を遅らせる必要がある」と説明を受けました。“遮光眼鏡”の使用は、職業柄抵抗感もありましたが、医師の診断書≪●難病 ●病気の治療等に必要≫を提出し、上司等の理解を求め、業務内容を事務処理に換えてもらう等を行って、病状悪化の軽減を図りました。53歳の頃までは、業務や日常生活に特に支障はなかったので、病状について上司や同僚に説明はしませんでした。常に“いずれ業務に支障が出るような症状が、現れたら?”等と不安を抱きつつ日々過ごし、また、どんなに悪化していくのかも判からず、精神的に不安定な状態で自律神経失調症≠竚ィ凝り等を患いました。その頃デスクワークは、パソコン導入の当初であり、眼を酷使し、症状は一段と悪化進行しつつありました。

2 事務処理に支障が出始める段階

平成13年春54歳の時、所属異動で、環境が変わり、眼の症状が悪化進行する中、異動先上司との人間関係が悪く、仕事上のストレス等も重なり、病状が一段と悪化進行しました。病状の進行に伴い“誤字脱字”等のミスも出だす等があって、上司から、しばしば罵倒されましたが、それを見かねた同僚から気遣いされることもありました。それでも上司等に病状を理解して貰おうと、医師の診断書≪病名と遮光眼鏡の使用の必要性、その他≫を提出したりして、病状が悪化・進行しないように努めました。上司は、デスクワークでのミスや書類点検等に手間取る等すると、その原因や病状の進行等を把握することもなく、パワハラを続けるので、業務の遅れは残業等により対処しました。この頃は、パワハラ等で、根負けし、自ら退職を願い出たり、将来に悲観したりしては、上司等の思う壺だと思い必死で耐え、1年後に職場異動になるよう願い出ました。平成14年春の異動先は、永年、携わってきた業務のデスクワークであり、上司や同僚も病状を理解しようとする等、相談をしやすい環境となりました。業務はパソコン等を使っての事務で、事務量は休日出勤が必要なほど書類が多く、それを処理していくうちに次第に視力も低下しました。視力の低下と異動を契機に保健室担当に病状等を相談し『JRPSの患者会』や専門医等の紹介を受けました。

3 リハビリ訓練とタートルの会との出会い

平成15年春、『JRPS患者会』主催の≪ロービジョン講演会≫(講師:高橋広先生[福岡県在住])を聴講しました。その際、高橋先生に、同年6月末に、先生の病院における診察を予約しました。初診の際、暫く業務を続けながら1月1回程度福岡に通院、(検査・診察・ロービジョン訓練)を継続し、症状を観察、病状に適した訓練を探しました。初診時高橋先生に「『中途視覚障害者』の多くは職場で仕事を続けづらくなり安易に退職する。退職せずに、病を克服し定年まで頑張り続ける強固な意志を持ち続けることが大事だ。同じ悩みを持つ≪タートルの会≫という患者会があるから、入会し悩み等を相談したら良い」と勧められ、入会しました。その後、会の『下堂薗会長』等に、何度か電話により相談し、アドバイスを受けました。

4 休職しての本格的訓練

病院での訓練等で、障害者の補助具・補助グッズの活用等、自立に向けた助成制度の利用等について指導を受けました。しかし、仕事を継続しながらの訓練で、徐々に仕事の事務に負担を感じながら、視力も次第に低下しました。翌16年1月に障害者手帳(2種5級)を取得。仕事を続けながら、1年3ケ月通院しロービジョン訓練等を続けた頃、このまま訓練を続けても“二兎を追う形”で中途半端になり良い成果は出ない。成果を得るには、休職し訓練に集中、日常生活等に希望を持てるようにしなければと考え、休職し定年前には職場復帰を目指そうと同16年11月に休職しての訓練に入りました。当初、同年11月中旬、高橋先生のもとに入院し、歩行訓練士の指導のもとロービジョン訓練(眼球運動・拡大読書器・パソコン)・検査等を続けた結果約1ケ月半で退院し、次の段階に進みました。退院時、次の段階に進むことになり、復職に向け国立函館視力障害センターの山田先生とも相談、“もっと充実した訓練をした方が復職し易い”との結論になり、翌17年1月末、山田先生の≪国立函館視力障害センター≫の『生活訓練生』として入所しました。同センターでは、専門の先生方からマンツーマンにより、パソコンのスキルアップ、拡大読書器の速読訓練、白杖による歩行訓練等、様々な訓練を受けました。約2ケ月半した頃、職場復帰の段階になり、同年4月中旬に卒業。入院・入所しての訓練中や体験中は、自分以上に重い障害者が自立に向け一生懸命に頑張っている姿勢に接し感動を受けました。また、入院・入所中の様々な訓練・体験等は、貴重な収穫で大きなパワーを貰いました。

しかしセンターを卒業した当時のスキルや体力では、復帰先の業務環境等を考えると、体力・能力的にまだ不十分で、途中で挫折しないか?と、危惧し、平成17年4月中旬〜 平成18年8月中旬までの15ヶ月間休職を継続。の休職中は、高橋先生のもとに1月1回程度通院しながら、職場復帰した際一番困るであろうパソコンのタッチのスピードアップ、拡大読書器の速読・パソコンとのスムーズな連携、長時間に耐える眼球運動等のスキルアップ、歩行や業務等での体力増強、復帰先関係者との連絡・意思疎通等を図りました。パソコンや速読訓練のスキルアップは、職場復帰しても業務量が多く、長時間継続してもギブアップしないだけの体力と能力を体得するためで、自分で目標とチェック表を作り対処し、復帰に自信をつけました。

第4 職場復帰と定年退職

平成18年8月、やっと職場復帰への自信が持てる段階となり、パソコンに、ズームや音声ソフトを入れて貰った他、拡大読書器の持込み等により、事務処理が行える状態となり職場復帰を果たしました。また、休職中リハビリ等によって視能力を向上させたことや未だに克服できない点を上司や同僚に説明し、復帰後の環境の改善を図りました。自宅で、15ケ月のスキルアップに努めたこともあり、復帰後は、業務処理等で困るような事態には至りませんでした。

職場復帰から7ケ月後には無事定年退職を迎え、その後上司の勧めにより賃金職員として3年間、退職前同様の業務をやらせて頂きました。

第5 おわりに

平成22年3月、警察の業務から退いた後、残りの人生を生きがいを持って過ごそうと、自分の病気に向き合い健康的な生活に努めようと決め、先祖の残した畑を活かし、野菜作りに挑戦中です。作業では、ルーペ等の補助グッズを利用するほか、それでも不自由な点は、家族の協力を得る等で、月10日程度農作業に精を出し、全身を動かしております。収穫した野菜等は、家族で食するほか、知人等に配ったりして、喜ばれています。

以上述べましたように、病気や障害になっても、くよくよ考えずに、周りの協力を得ながら、今、自分が出来ることをする等、前向きに進む以外にないと開きなおることにしています。

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【寄稿】

『電話相談事例に見えた「合理的配慮等」に関する事実について』
(平成24年4月〜平成25年3月、45事例65事象)

理事 下堂薗 保(しもどうぞの たもつ)

私は、情報誌タートル23号の議案書において、『■相談事業の4.「合理的配慮等」に関する事実』と題し付記させてもらいました。しかし、内容的には解説記事もなかったので、直接関与しない読者にあっては、よく理解できない部分がたくさんあったのではなかろうかと思います。このたび、少し、分析を加えたので、改めて投稿させてもらいます。 なお、件数が、精査している段階で先の数字と差異が生じましたが、今回対象者数45件に対し、中身的には複数の事象が絡みあっていたので、比率を示す根拠数字は、65事象で算出していることを申し添えます。

さて、国は、「合理的配慮等を内容とした」障害者権利条約の批准に備え、国内法の整備をすすめていましたが、「禁止法」から「解消法」に名称を変えて「障害者差別解消法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)」が平成25年6月19日に成立しました。ただし、施行は、3年後という変則的な法律とともに、検討段階からあった名称や内容が変更されたこと等は、後退した印象は否めません。しかし、これまで手がかりになる法律がなかったところにこの解消法が成立したことは、法曹界が80%方、前進したと評価する声があると、各紙が報じているように大きな一歩だと私も思います。

なお、国連障害者権利条約は、2006年に採択され、すでに批准した国・地域は130を超えたと言われますが、日本はまだ批准していません。この差別解消法や、改正障害者基本法、同、改正障害者雇用促進法等が批准の基礎になるとされています。

ところで、NPO法人タートルでは、かねてより、「電話とメール」による相談に対処していますが、このたび、電話による相談事例を通して、「合理的配慮」等に関連すると思量される事項について、その記録から(A:配慮された事例、B:配慮されなかった事例、C:偏見差別の事例、D:本人のみならず社会をも含めた障害の受容欠損事例)の4つのカテゴリーに分析し、その結果を考察したので報告します。

1.分析

A:配慮された事例

65事象中22件(34%)

(1)訓練容認事例
・職業訓練の受講許可(3)
・生活訓練受講許可(3)
・周辺補助機器の導入配慮(4)
・リハビリテーション後、職場復帰を容認(2)
・休職・訓練を容認(1)
※以上、訓練容認22件中13件(約59%)

(2)適職へ配置事例
・現場部門から事務部門へ配置転換(2)
・本人に適した仕事を割り当てる(1)
・何が適した仕事か、会社が、発掘に率先協力(1)
・一般校から盲学校へ転校容認(1)
※以上、適職へ配置22件中5件(約23%)

(3)思いやり支援事例
・不自由に対して手を貸したり、工夫したり、居心地よいさわやか支援体制(1)
・退職に対し、延長措置考慮(1)
・退職金と補助機器の代金、希望通り容認(1)
・会社が失明者の雇用経験がない現実に備えて、産業医自身が学習(1)
※以上、思いやり支援22件中4件(約18%)

B:配慮されなかった事例

65事象中27件(約41%)

(1)配慮されない事例
・職業訓練の受講を配慮してもらえない(3)
・職業訓練の意義を理解してもらえない(1)
・職場内において、配置転換配慮なし(2)
・そろそろ限界か、と圧力をかけられ、職業訓練、補助機器、配置転換などの配慮なし(1)
・補助機器の整備等考慮なし(1)
・診断書を添えて視力低下を説明、達成目標の数字の見直しを求めても、配慮なし(1)
・職場内において、配置転換配慮なし(2)
※以上、配慮なし27件中11件(約40%)

(2)解雇事例
・休職期間満了で退職を強要される(4)
・進行性疾病と分ったとたん、見えなくなった時対処できないと解雇(1)
・在宅勤務の予告が、事情が変わったと、突然解雇通告(1)
・「見えなければ辞めるしかないね」と冷淡に突き放される(1)
・ノルマを達成できなければ解雇、自ら就職を探すことと冷淡な通告(1)
・中小企業のため、社内に対処できる仕事がないと解雇(1)
・運転手は、目が悪いとできないからと解雇(1)
・接客業は視力低下では不可能とやむなく退職(1)
※以上、解雇27件中11件(約40%)

(3)いわばパワハラ事例
・達成目標が強いられ、ストレスが高じうつ症状を発症(1)
・職場復帰しても仕事をもらえない(1)
・ケアマネとして仕事をもらえない(1)
・まったくの孤立無援状態(1)
・手帳に該当するかしないか微妙な状況者は、福祉的支援を受けるのがむずかしい(1)
※以上、冷淡(いわばパワハラ)27件中5件(約19%)

C:偏見差別の事例

65事象中9件(約14%)

・視覚障害者は仕事はできないと決めつけ、ただ出社させるだけ、仕事をさせようとしない(1)
・説明を尽くしても業務遂行能力低下が視覚障害のためと容認しない(1)
・できる仕事は何か、協力してみつけようとしない(1)
・仕事が遅い、間違いがある、二重手間がかかる等と、欠点を指摘するだけ(1)
・視覚障害者は何もできないと、偏見的に見る風潮(1)
・いやがらせ、皮肉、見下し、屈辱感等、精神的圧力(1)
・差別的扱いに、無力感のみ(1)
・給与、大幅なカット(1)
・一方的に賃金を引下げられ、退職誘導(1)
※以上、偏見差別65事象中9件(約14%)

D:本人のみならず社会をも含めた障害の受容欠損事例

65事象中6件(約9%)

・見えないという状態を理解してもらえない(1)
・雇用主のパワハラは、許せないと立腹(1)
・一家の主が、障害の受容ができないため、仕事、家族の日常生活に悪影響(1)
・見えない者は不用と、親族会議で離婚強要され離婚(1)
・育児中の母親の視力悪化に、家族は視力低下への対処法が分からず戸惑うばかり(1)
・看護師自身、視力低下に伴い、職務の継続に不安感(1)
※以上、障害受容欠損65事象中6件(約9%)

2.考察

A:配慮された事例においては、(1)訓練容認22件中13件(約59%)(2)適職へ配置22件中5件(約23%)(3)思いやり支援22件中4件(約18%)などと、視覚障害者の就労継続にとって必須要件とされている訓練等がしっかり配慮された事実は、大いに評価できます。その中で訓練関係が約59 %、適職配置が約23%に達しており、合計82%を確保している事実は、視覚障害者の働く要件に対する理解が高まりつつあると解釈しています。

B:配慮されなかった事例においては、(1)配慮なし27件中11件(約40%)(2)解雇27件中11件(約40%)(3)冷淡(いわばパワハラ)27件中5件(約19%)などと、配慮なし約40%、解雇約40%、合計約80%と高い比率は、前記のA類に比べ、雇用主の冷淡な、きわめて厳しい見方が反対側にあることが認められます。

さらに、C:偏見差別の事例においては、偏見差別65事象中9件(14%)と、偏見差別は減少しているようにも感じられますが、しかし、B:配慮されなかった事例と考え合わせると、依然として厳しい無理解があります。

D:本人のみならず社会をも含めた障害の受容欠損事例においては、障害受容欠損65事象中6件(約9%)と低いが、この傾向は恒常的にこのような傾向かどうかはこのデータだけでは何とも言えないので、更なる多くの事例の検証が必要と思えます。

3.結論

全体的には、A:配慮された事例(65事象中22件(34%))に対して、B:配慮されなかった事例65事象中27件(約41%)と、配慮されなかった事例が7%も高い結果でした。

更に、詳細は、A:配慮された事例の22件に対して、B:配慮されなかった事例27件とC:偏見差別の事例9件、合計36件と合理的配慮をしてもらえない悪い方が高い集計結果になっています。しかしながら、このように、配慮してもらえるようになった件数が、思いのほか多かったことについては、安堵するものがあります。ただ、配慮してもらえない件数が14件も多い結果は、視覚障害者の就労の拡大が改善されない証がここにあると言えます。一日も早く、「差別解消法」の精神が活かされるなどして、この現象が逆転し、普通に配慮されるようになることを切望するものです。

それと本人にとって障害を受け入れることは、耐え難いつらいことですが、しかし障害の受け入れはその後の人生を好転させるきっかけになることが多いので、ロービジョンケアの受診や、同じような境遇にある者の例を参考に、勇気をもって決断し、一日も早く障害を受け入れ、QOL(生活の質)の向上を図る方向に気持ちを切り替えることを切望してやみません。

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【お知らせコーナー】

◆ ご参加をお待ちしております!!(今後の予定)

<タートルサロン>

新企画! 毎月第3土曜日
日本盲人職能開発センター
(14:00〜16:00 交流会開催月は講演会終了後)

<タートル交流会>

11月16日(土)・2月15日(土)
14:00〜17:00
日本盲人職能開発センター、大阪・福岡・名古屋・広島などとSkype中継予定

<関西地区交流会> 10月19日(土)

 日本ライトハウス情報文化センター

<広島地区交流会(福山市)>

11月9日(土)

<タートル忘年会> 12月7日(土)

ホテル ベルグランデ(両国) 17:30〜

<関連イベント(タートルも参加しています)>

・第14回日本ロービジョン学会学術総会(倉敷市) 10月11日・12日
・第5回視覚障害者就労支援推進医療機関会議(横浜パシフェコ) 11月3日
 (第67回日本臨床眼科学会最終日)

◆一人で悩まず、先ずは相談を!!

見えなくても普通に生活したい、という願いはだれもが同じです。職業的に自立し、当り前に働き続けたい願望がだれにもあります。一人で抱え込まず、仲間同志一緒に考え、フランクに相談し合うことで、見えてくるものもあります。気軽にご連絡いただけましたら、同じ視覚障害者が丁寧に対応します。(相談は無料です)

◆正会員入会のご案内

NPO法人タートルは、自らが視覚障害を体験した者たちが「働くことに特化」した活動をしている団体です。疾病やけがなどで視力障害を患った際、だれでも途方にくれてしまいます。そんな時、仕事を継続するためにはどのようにしていけばいいかを、経験を通して助言や支援をします。そして見えなくても働ける事実を広く社会に知ってもらうことを目的として活動しています。当事者だけでなく、晴眼者の方の入会も歓迎いたします。

◆賛助会員入会のご案内

NPO法人タートルは、視覚障害当事者ばかりでなく、タートルの目的や活動に賛同しご理解ご協力いただける晴眼者の入会を心から歓迎します。ぜひお力をお貸しください。また、眼科の先生方はじめ、産業医の先生、医療従事者の方々には、視覚障害者の心の支え、QOLの向上のためにも積極的な入会あるいは係わりを大歓迎します。また、眼の疾患により就労の継続に不安をお持ちの患者さんがおられましたら、どうぞ、当NPO法人タートルを紹介いただきたくお願いいたします。

◆会費納入ならびにご寄付のお願い!!

日頃は法人の運営にご理解ご協力を賜り心から御礼申し上げます。
2013年度通常総会が6月8日(土)に無事終了いたしました。総会終了後、会費の振込用紙を送付させていただき、多くの会員の皆様から納金をいただきました。つきましては、まだ納金がお済みでない方は、お手数ですが、以下の振込口座に年会費の納金手続きをお願いいたします。
また、ご案内のとおり、当法人の運営は資金的に逼迫している状況です。皆様方からの温かいご寄付を歓迎いたします。併せてよろしくお願い申し上げます。

≪会費・寄付等振込先≫

ゆうちょ銀行
記号番号:00150-2-595127
加入者名:特定非営利活動法人タートル

◆お礼とご報告

「ご寄付を賜りました皆様方へ!!」

平素はNPO法人タートルの活動にご理解とご支援を賜り心より厚くお礼申し上げます。この度ご寄付賜りましたご厚志金は、法人の諸活動に有効に活用させていただきます。皆様方には今後とも引き続きご厚情、ご支援のほどをお願い申し上げ、お礼とご報告に代えさせていただきます。

☆2012年度実績 10件  132,000円

◆活動スタッフとボランティアを募集しています!!

あなたも活動に参加しませんか?
NPO法人タートルは、視覚障害者の就労継続・雇用啓発につなげる相談、交流会、情報提供(IT・情報誌)、セミナー開催、就労啓発等の事業を行っております。これらの事業の企画運営等、一緒に活動するスタッフとボランティアを募集しています。会員でも非会員でもかまいません。具体的には交流会の運営、事務局のお手伝い、在宅での情報誌の編集作業等です。できる範囲で結構です。詳細についてはお気軽に事務局までお問い合わせください。

☆会員募集のページ
http://www.turtle.gr.jp/join.html

☆タートル事務局連絡先
 Tel:03-3351-3208
 E-mail:m#ail@turtle.gr.jp
 (SPAM対策のため2文字目に # を入れて記載しています。お手数ですが、上記アドレスから # を除いてご送信ください。)

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【編集後記】

情報誌「タートル」は、年4回発刊しております。中途視覚障害者が就労を継続するために、役に立つあるいは参考になると信じて、講演内容、苦労しながらも職場で頑張っておられる仲間、定年まで勤められた仲間の生の体験や声を投稿して頂き、お届けしております。また、会活動の予定なども、努めてお知らせしようと考えております。
編集を担当させていただいている者として、本情報誌に関する、皆様からのご意見等を頂ければ幸甚です。

(長岡 保)

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