目次

【巻頭言】 理事 市川 浩明
【3月交流会講演】 国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局 視覚機能訓練課 課長 白浜 一 氏
【職場で頑張っています】 東京都心身障害者福祉センター 理学療法士 前田 ひすぎ 氏
【お知らせコーナー】
【編集後記】
奥付

【巻頭言】

『THE WALL…?!』

理事  市川 浩明(いちかわ ひろあき)

何より音楽が生きがいだった若い頃の話。地の底から這い上がってくるかのような轟音。全てをなぎ倒すかのような重いビート。複雑怪奇な楽曲構成や、斜に構えたシルエット。いつだってアンダーグラウンドから出てくる表現は刺激的で、若き頃より煙がかった場所を徘徊していたような気がするのです。何がアンダーグラウンドなのかというと、少なくともメジャーではないものといえばいいのでしょうが、私が10代の頃の音は、今の時代その一部は確実にメジャーなのだろうと思うのです。でも、それは果たしてこの情報誌を読んでおられる方々にとってどうかというと違うかも知れません…。

視覚障害者になって10年以上が経過しました。タートルでの活動を含めて、色々な方々ともお会いしている現在、同じ視覚障害の仲間ができ、「世の中にはこれほど同じ境遇の人がいるのだなぁ」と当たり前のことを感じることもあります。

ですが、毎日の生活では、当然ながら満員電車の中、買い物中、職場などなど私は稀有な存在です。段々見えなくなりほぼ失明した現在では、同じ視覚障害者の中でもロービジョンの仲間が多いときにはその中でも稀有な存在になっていき、若い頃から盲学校に行っていたような方々の集まりでも少数派のことがあります。障害を抱えてから年月も経過して、以前と比べて同じ仲間のことは分かるようになってきたように感じます。そして、今思うと頭では理解していたことが、同じ視覚障害者でも違うということを体験から感じることが出来ます。

私が健常者だったときに資料を読んだりセミナーに通ったりして得た知識などは、私自身が見えなくなってから、自分自身の血や肉になっていないのではなかったのかと強く感じたものでした。ロービジョンのころは、もっと分かっていたつもりであったことが、見る力を失って改めて気がつくこともあります。「理解が浅かった!」と…。

でも、このような細かなことは世の中ではひとつにカテゴライズされるのでしょう。 “マイノリティ”と…。あるところで「白杖を持つことがロービジョンの人にとっては決断も必要なことがありますよ」のようなことをお話したことがあります。そのときに「そんなことは我々にわかるわけがないでしょう」と言った方がいました。その方は視覚障害者の手伝いをしている方ですが、「お互いを理解し合うこと云々」の言葉をぐっと飲み込んだこともありました。

夜の静寂にピアノの音が絡まり、くぐもったグラスの音がリズムを刻むそこは、北欧からの若きジャズメンがスポットライトを浴びている場所。聴衆が少ないのは素敵な音楽であってもメジャーではなく愛好家しかいないから。そこにいる私は目の見えない唯一の存在。アンダーグラウンドの住人。プレイを終えると隣のテーブルのご夫妻が手をとってくれ…そして、彼の指がそっと私の指に絡み握手をしてくれました。彼はその時異邦人。そこには確かなお互いの理解があったような気がするのでした…。

【3月交流会講演】

『国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局の視覚障害者に対する訓練・支援について』

国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局 視覚機能訓練課 課長
白浜 一(しらはま はじめ)氏

皆さん、こんにちは。今、ご紹介がありました白浜と申します。 出身は長崎県の五島列島です。五島列島をご存じの方はいらっしゃいますか。東京の大学に入った時に「五島列島出身」と言ったら、よくわからなかったのか「何県?」と言われてしまいました。

それでは、国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局の「視覚障害者に対する訓練・支援」について、ご紹介させていただきます。皆さんの座っているところから11時の方向にあるスクリーンで資料を見ることが出来ますが、できるだけ言葉で説明したいと思います。

本日の内容ですが、最初に「障害者の数」。全国でどのくらいの障害者がいらっしゃるかということです。2つ目が当センター「自立支援局のサービス概要」ですが、これは全般について説明いたします。3つ目が「障害者の雇用状況」。データをもとに説明します。4つ目は「その他」で、歩行訓練士の数、あはきの国家試験合格率、盲導犬の数などを紹介していきたいと思います。

最初に「障害者の数」です。このデータは「平成23年 生活のしづらさなどに関する調査結果」から引用したものです。平成18年までは「身体障害児・者等実態調査」として厚生労働省が5年ごとに行っていたものですが、平成23年からこのタイトルに変わりました。身体障害児・者実態調査と知的障害児・者実態調査を統合して平成23年から「生活のしづらさなどに関する調査」という形になっています。また、精神障害者のデータについては3年ごとに厚生労働省が実施している患者調査からデータを引用しております。

現在、身体障害児・者の総数としては393万7,000人。在宅の方は、386万4,000人で、施設に入られている方が7万3,000人です。知的障害者については、総数が74万1,000人です。

精神障害者については、392万4,000人で、在宅の方は361万1,000人、施設入所者は31万3,000人です。患者調査の外来患者数を在宅、入院患者数を施設入所者としています。総計では860万2,000人になります。これらの数字は、あくまでも手帳を持っている方の数です。手帳のない方も入れるともっと多くいらっしゃると思われます。

この資料は「身体障害者の推移」をグラフにしたものです。身体障害者数は右肩上がりで年々少しずつ増えています。特に、最近の状況としては内部障害の増加が目立ち、肢体不自由も年々少しずつですが増えています。また、視覚障害者と聴覚障害者については横ばいになります。視覚障害者の方は31万2,000人~32万人ぐらいで、聴覚障害者の方も33万~34万人で経過しています。

なぜ内部障害が増えているかと言うと、内部障害者に関する障害認定が少しずつ増えたからです。

平成23年調査結果では、内部障害の方は93万人、肢体不自由の方が170万9,000人、聴覚障害の方が32万4,000人、視覚障害の方が31万6,000人です。直近では昨年12月に調査が実施され、その結果はおそらく来年中に公表されるのではないかと思います。

この資料は「身体障害者の方の年齢別状況」です。障害者においても高齢化をしていて、70歳以上の方が200万人を超えていることです。60歳以上を見ると全体の70%を占めています。我々が対象としている利用者は20代から50代ですが全体の1割ないし2割ぐらいしかいないというのがわかります。

視覚障害者の「年齢階層別の状況」をまとめたところ、平成3年に65歳以上の方が54.1%、平成23年の調査では69.2%で、15%も高齢者が増えています。高齢化は視覚障害者だけではなく全障害においても見られますが、その中でも視覚障害者の高齢化率が高くなっています。

次に、「自立支援局のサービス概要」について紹介いたします。国立障害者リハビリテーションセンターは、国立身体障害者リハビリテーションセンターとして、新宿戸山町の国立身体障害センター、国立聴力言語障害センター、杉並区にあった国立東京視力障害センターの3施設を廃止・統合して、昭和54年7月に所沢市に設置されました。

自立支援局というのは旧更生訓練所で障害者支援施設のことです。当センターは、自立支援局以外に病院、学院、研究所、管理部、企画・情報部の6部門あります。同敷地内に国立職業リハビリテーションセンターがあります。

ここで、自立支援局利用者の申請者数の推移を紹介します。各センターの事業報告をもとに、障害者自立支援法が施行された平成18年10月から26年度までのデータをまとめてみました。これを見ると、平成20年度から視覚障害者に対する機能訓練、高次脳機能障害者に対する生活訓練の申請が少し増え、他の就労移行支援や就労移行支援(あはきの養成)、頸髄損傷に対する機能訓練は、少しずつ減少傾向にあります。

理由はいろいろあるかと思いますが、特に就労移行支援においては地方自治体での基盤整備が進んでいること、先ほど言った高齢化の影響も若干あるのではないかと考えます。申請数は、全体的に減少はしているものの、18年~19年度、24年度において申請数の落ち込みがみられます。したがって民間施設においても利用者の確保に苦労しているのではと推測します。当センターの最近の自立訓練(視覚)の利用者、特に所沢においては去年より特別支援学校からこられる方が多くなっています。これまで1年で2~3人のところが、今年は、8月までに8人です。この辺は就労に結びつけるためには、生活するための技術を身につける、社会性の向上等を図る必要があり、「自立訓練で少しでも経験を積み就労を目指す」という考えが、特別支援学校の先生方にあるのではと思います。

自立支援法が施行される前までは長めの期間で訓練を提供していましたが、自立支援法になって各事業の標準利用期間が定められ、就労移行支援は2年間、あはきについては3年~5年、自立訓練については1年半、生活訓練も1年半となっています。就労継続支援A、B型については利用制限はありません。

標準利用期間を全部使ってしまうと、例えば私どもにAという利用者が視覚の自立訓練で入ってきた場合、1年半を全部使ってしまうと、次にまたどこかの施設で訓練を受けたくても受けられないのです。施設は最短で目標達成出来るよう訓練を提供し、次の段階へ移行する努力が必要で、訓練期間を残しておかないと、またどこかで「訓練を受けたい」と言っても受けられない可能性があります。

本人の状況によっては最大で1年間延長できますが、その辺の事情を市町村がどれだけ汲んでくれるかというところもあります。所沢では本人の状況を把握し、できるだけ早く社会参加をさせる方向での支援を提供しています。

この資料は事業別の訓練内容を紹介したものです。皆さんご存じのように視覚の機能訓練は歩行、日常生活、点字、パソコンですが、最近はパソコン訓練についてはICTとし、パソコンに限らずiPad、iPhoneの操作訓練も行っています。それから録音再生機器ということでフレックストークやICレコーダーなどの操作方法を教えています。それからロービジョン訓練、スポーツ訓練、ハンドライティング(書字訓練)です。地方の各視力センターも同様の訓練を行っています。

平成25年度から訓練項目、訓練データの入力方法や様式を所沢と各視力センターで統一し、それに基づいて皆さんに訓練データを管理しています。

パソコン訓練だけ単発訓練では、約2カ月で終了します。26年、27年では、平均約6カ月で訓練を終え、次のところに進まれています。

訓練終了後の進路で一番多いのは家庭復帰で47%です。次いで職リハで15.2%、あはきの養成施設に進まれる方は14.5%、就労継続支援が12.1%、職場復帰が7.5%という順になっています。

ほとんどの方が就職を希望しています。視覚の機能訓練利用者では職リハを希望される方が多く、今年度も3名の方が行かれています。

職リハについて簡単に説明をしますと、もともと職リハでは視覚障害者に対する訓練としてOAシステム科や電話交換が中心に行われていました。現在は「視覚障害者情報アクセスコース」となっています。「視覚障害者情報アクセスコース」の受け入れ人数は15人です。27年度の事業報告をみると、11人が訓練を受けています。  

「就労移行支援」です。こちらは所沢のみで行っていますが、全障害を対象にしています。全障害と言うと語弊がありますが、知的障害者、精神障害者の単独での受け入れは行っていません。例えば、聴覚障害を持っていて精神的な疾患がある方とか、肢体不自由で内部障害を併せ持つ重複の方はいらっしゃいます。

ここでは4つのサービスを提供しています。1つ目は「作業系」で事務補助や軽作業を行っています。当センターの各部署で封筒詰めや郵便の仕分けなどを就労移行支援の利用者が行っています。2つ目は「事務系」で一般事務や印刷等の関係になります。主にパソコンを使用しての訓練です。3つ目は「サービス系」でクリーニングになります。クリーニングは以前から就職率が一番良かったのですが、現在はクリーニングだけで就職するのは難しくなっており、クリーニングとは別の作業に就職する方もいらっしゃいます。4つ目が「職場実習」です。所内売店での販売実習や外部に実習に行きます。

就労移行支援の訓練終了後の進路としては、家庭復帰される方が多いですが、その後も求職活動は継続しており、最近では少しずつ就職が増えてきています。

それから、就労移行支援サービスには理療教育があります。視覚障害者を対象とした訓練で、地方センターは専門課程のみの実施で定員60名(1学年10名×2クラス×3学年=60名)です。リハセンターは専門課程(1学年12名×3クラス×3学年=定員108名)+高等課程(1学年12名×1クラス×5学年=定員60名)で定員168名です。毎年、申請数は減少傾向にあります。今年度の募集には現在14名の応募がありました。

国家試験は毎年2月下旬に実施され、合否発表は3月下旬です。卒業までに内定をもらうことは少なく、皆さんが本格的に就職活動を始めるのは合否発表後になります。このデータはあくまでも3月末までのもので、どうしても家庭復帰が多くなってしまいます。近年では訪問マッサージ、企業のヘルスキーパー、特別養護老人ホーム、病院への勤務が増えています。

次に当課で行っている取り組みについて、ご紹介させていただきます。 このスライドは「視覚障害者に対する機能訓練の標準的な訓練時間数及び支援期間を算出するための指標」です。これまで検討を重ねて試行版を作成しました。平成25年度から検討を始め、所沢と各視力センターではそれぞれ視覚障害者に対する自立訓練を行っていますが、訓練期間は訓練士に任せられているのが現状で、きちんとデータに基づいて期間を算出する必要があることから、きちんとしたデータを集めようということで、26年度に各訓練の項目や様式を全施設統一し、歩行は56項目、日常生活は101項目、点字70項目、パソコン163項目、録音再生機器73項目、ロービジョン30項目として整理をしたところです。

現在は、統一した訓練項目等に基づいてデータを集積し、平成28年度までに約160件のデータが集まりました。そのデータをもとに分析し、訓練の時間数や期間を算定するための指標がこの表になります。

このスライドは歩行訓練ですが、日常生活や点字等の他の訓練も同様に縦軸が年代別、横軸が視力で整理しました。年代は10代から80代、視力は「0~光覚弁」「手動弁」「指数弁以上」「0.03以上」「0.05以上」「0.1以上」、「0.4以上」の視力になっています。

例えば、手動弁で30代の方はおよそ何時間の歩行訓練が必要かと言うと、この表では手動弁の30代では約37時間の訓練が必要という見方です。ただ、この指標の課題としては視野が入っていないことや、提供した訓練項目によって時間数が異なるなどの課題があり、今後、その辺の検討が必要です。とりあえず、今回これをまとめてもらっただけでも、訓練士の指標になるのではと思っているところです。平成29年度以降はこれを活用しながら、さらに良いものになるよう見直しをしていく予定です。

もう一点は、65歳以上の高齢視覚障害者に対する訪問訓練を、平成26年から所沢で実施しています。各視力センターは27年度から行っていますが、平成26年度から28年度までの3年間には、合計24名の高齢視覚障害者の訪問訓練をしています。各センター概ね1時間半で通える範囲の方を対象に訪問訓練を実施しています。

埼玉県ふじみ野市、東村山市の方が多く利用され、所沢市は案外少ない状況です。各センターの内訳は、所沢が14名、函館3名、神戸5名、福岡2名の合計24名になっています。

利用者の状況を見ると、男性が9名、女性が15名、平均年齢が72.8歳、最高年齢で86歳の方が訓練を受けています。疾患別で見ると、網膜色素変性症が12名で最も多く、次いで緑内障が5名、網脈絡膜萎縮が2名、視神経萎縮が2名の順です。

実際に実施した訓練としては「日常生活」が最も多く、内容的には衣類や金銭の管理、印付け、用具の紹介や利用の仕方です。次いで「各種機器の操作」です。携帯電話やPC、ICレコーダー、拡大読書器等の使い方の操作訓練です。3番目は「調理」です。動作や計量の方法です。4番目に「移動」で屋内移動になります。

最近の利用者で、家の中を這って移動していた人がいましたが、歩行訓練を提供した結果「つたい歩きができるようになった」と喜んでいる方もいらっしゃいました。まだ視力が活用出来る方については、自宅から最寄り駅やデパートまでの訓練を提供した例もあります。

一人に対して平均2~3項目の訓練内容を、訓練日数としては167日(平均5.5カ月)で、週に1~2回を提供しています。1回往復で半日はかかっていて、職員では1~2名の方が出向いています。

訓練効果を測定するために、「老研式活動能力指標」、FIM(機能的自立度評価)、PGCモラールスケール(QOLの向上や満足度を調査するための評価表)、独自で作った終了時調査をもとに、我々も「訓練をしてどんな効果があったか」というのを見ています。

やはり「生きていく上で今後前向きに取組むようになった」「できることが増えたので、気持ちが前向きになった」と言う方が多く、満足度がずい分と上がっているところがあります。障害福祉サービスを介護保険事業所が利用できることを知らないという現状があって、我々も地域包括支援センターを中心に募集活動を行っているところです。訓練することで少しずつできるようになることがありますから、我々も支援の必要性を訴えていきたいと思っています。

次は、「障害者の雇用実態調査結果」について、厚生労働省の職業安定局障害者雇用対策課が5年ごとに実施しているデータを紹介したいと思います。直近は平成25年11月に実施しています。25年のデータをもとに説明させていただきます。

資料の折れ線グラフは「就職件数及び新規求職件数の推移」です。新規での求職申込件数は年々増えています。平成20年には119,765件であったのが、平成27年には187,198件で、新規の求職申込件数は右肩上がりで少しずつ増えています。

下の棒グラフは就職件数で、平成20年の約44,000件に対して、27年は倍以上の約90,000人の方が就職されています。精神障害者が最も多く、次に身体障害、知的障害、その他(重複障害)の順となっています。

この実態調査は事業所に対する調査ということで、常用労働者を5人以上雇用する民間・民営の約13,100事業所に無作為抽出法で調査を実施し、8,670事業所から回答を得て回収率は66%になっています。もう1つは個別調査で、当該事業所に雇用されている身体障害者、知的障害者、精神障害者を対象に調査を実施しています。

「民間企業における障害者の雇用状況」です。先ほども言いましたが、雇用率は27年現在は1.88%になっています。民間企業の法定雇用率は2%ですので、まだそこまでは達してはいません。雇用障害者数や実質雇用率ですが、平成27年は共に過去最高を更新しました。精神障害者が増えていることで、雇用率が上がってきています。

平成27年の実質雇用率は1.8%ですが、前年と比べると0.06ポイント上がっています。法定雇用率達成企業の割合は約47%。前年と比べて2.5ポイント上昇しています。公的機関の雇用率は2.3%で、教育委員会は2.2%ですが、いずれも前年度雇用障害者数や実質雇用率を上回っています。

国では2.45%、都道府県では2.58%、市町村では2.41%、教育委員会も2.15%で、公的機関では概ね障害者の雇用率は達成できています。独立行政法人などの法定雇用率は2.3%と定められていますが、これも上回っておりまして、実質雇用率は2.32%という状況になっています。

8,673社から回答を得られたということで、この表は身体障害、知的障害、精神障害で分けて整理したものです。雇用者数を見ると身体障害者が圧倒的に多くて23,803人、知的障害者が4,632人、精神障害者が2,124人ということです。

産業別に見ていくと、身体障害者の場合は卸売・小売業が一番多く、次に製造業、サービス業です。事業所の規模別では5~29人では42.7%、30~99人が21.9%、100~499人の事業所では23.7%が採用されています。性別では66.7%が男性で、女性が32.3%です。採用されている方の年齢を見ると60歳~64歳が18.5%で一番多くなっています。

障害別での雇用者数を見ると、身体障害では肢体不自由が43%、内部障害が28%、聴覚障害が13%、視覚障害が8.3%となっています。また、障害程度別では1~2級が43.9%、3~4級が34.9%、5~6級が17%になります。障害者となった時点を見ると、採用前に障害者になった方が圧倒的に多く71.1%で、採用後に障害を負った方は27%となっています。

雇用の形態別で見ると、正社員(無期契約)は48.1%で一番多くなっています。正社員でも有期契約の場合は7.8%、正社員以外(無期契約)は6.5%、正社員以外(有期契約)は37.3%です。労働時間別では週30時間以上が81.8%で多く、20~30時間未満が12%、月間労働時間では週30時間以上は月平均159時間で、週労働時間が20時間から30時間の方は月平均100時間となっています。

職業別では事務業が圧倒的に多く31.7%、専門・技術が14%、販売が13%、生産工程が11%です。賃金状況を見ると、身体障害者では1カ月平均22万3千円、30時間以上25万1千円、20時間から30時間未満が10万7千円、20時間未満が5万9千円となっています。

支払方法としては月給制が58.8%と一番多く、日給制が4.8%、時給制が32.6%です。平均の勤続年数ですが、身体障害者は10年です。参考までに知的障害者は7年9カ月、精神障害者は4年3カ月です。身体障害者の雇用状況を主にお話をしました。

視覚障害者の雇用状況を見ると、雇用者数は全体で約2,000人で8.3%になります。産業別では卸売・小売業が60.3%、医療・福祉に関わっている方が10.8%、サービス業が10.5%です。事業所の規模別では5~29人のところが圧倒的に多く56.2%、30~99人では22.2%、100~199人では8.3%です。

障害の程度では1~2級は43.9%、3~4級が34.9%、5~6級が17.1%です。障害となった時点では採用前に障害を負った方は68.6%、採用後に障害を負った方は26.4%です。年齢階層別では視覚障害者の場合は35~39歳が22.7%で一番多く、次に60~64歳が18.5%、55~59歳が15.1%です。

雇用形態別では、正社員(無期契約)が44.2%、正社員以外の有期契約社員は37.3%です。職業別では販売が37.7%、事務が32.1%、専門技術が12.5%になっています。週所定の労働時間別では30時間以上が89.6%、20~30時間未満が3.2%、20時間未満が5.8%です。

週所定労働時間別の平均賃金は22万4千円、30時間以上で23万9千円、20~30時間未満で9万7千円、20時間未満で7万8千円となっています。

視覚障害者の平均勤続年数は8年6カ月です。参考までに聴覚障害が一番長くて11年5カ月、肢体不自由が10年11カ月、内部障害が8年4カ月となっています。

次に「雇用するに当たっての企業側の課題」です。事業所に採用されている方に限った内容になりますが、複数回答になっています。

身体障害者の雇用上の課題については72.2%が「ある」と回答しています。回答されたものの中で一番多かったのが「会社内に適当な仕事があるか」で76.2%と最も多く、次に「職場の安全面の配慮が適切にできるか」が51.4%、「採用時に適性、能力を十分に把握できるか」は37.5%になっています。

「障害者を雇用しない理由」についても複数回答ですが、「当該障害者に適した業務がない」が84.3%、「施設・設備が対応していないから」が46.7%、「職場になじむのが難しい」が19.2%になっています。

「離職経験者の前職の離職理由」について、前に働いていたところを辞めた理由としては「個人的理由」が圧倒的に多く65.9%、次に「事業主の都合」で17.2%、「定年、契約期間満了」が5.6%の順で多くなっています。

「個人的理由の具体的な内容」として一番多いのは「賃金、労働条件に不満」が32%、「職場の雰囲気、人間関係」が29.4%となっています。次に「仕事の内容が合わない」で24.8%となっています。この辺のところは障害別に分けていなかったので、身体障害者全体でお話をしています。

「仕事に関する相談相手」として最も多かったのは「家族・親族」で52.6%。次に「職場の同僚・友人」が44.4%、「職場の上司や人事担当者」が41.4%、「職場以外の友人・知り合い」が29.6%となっています。

次に「将来への不安」ですが、これも複数回答になります。一番不安に思っているのは「老後の生活が維持できるか」で63.9%、「仕事が続けられるかどうか」が60.7%、「障害が重度化するのではないか」が46%となっています。

最後に4番目の「その他」ということで、「あはき師国家試験合格率の現役者の状況」をご紹介したいと思います。今年度はまだ出ていないので、昨年度(第24回)の分になります。あん摩・マッサージ・指圧師は国立施設の平均が82.4%、全国平均が93.2%、視覚障害者だけの平均を見ると81.1%ということで、国立は視覚障害者全体よりも若干上回っています。晴眼の方は97%が合格しています。

はり師の場合は国立施設平均が77.1%、全国平均が87.6%、視覚障害者だけの平均が77.9%、晴眼者の方が88.3%となっています。きゅう師では国立施設の平均が80%、全国平均が88.9%、視覚障害者だけの平均が80.3%、晴眼者の方が89.5%となっています。

合格率の向上に向けて、国立施設の理療教育課では毎年いろいろな取り組みがされています。はり師はどうしても難しいところがありますが、最近は70%まで持ち直しています。以前は60%ということで、はり・きゅうは合格率が下がっていたのですが、今では、はり・きゅう師の合格率が上がって、あん摩師が下がっている傾向が感じられます。今年度は2月下旬の実施でしたが、受験者の状況を聞くと「難しかった」という感想がありました。

次に「あはき師従事者数」ということで、視覚障害者と晴眼者を比較した表になります。現在、あマ指師の方は113,215人いらっしゃいます。そのうち視覚障害者の方は25,999人で全体の23%になっています。ピーク時は38,419人いらっしゃいました。

現在、はり師の方は晴眼と視覚を併せ108,537人いらっしゃいますが、視覚障害者は14,927人で全体の13.8%になりますが、ピーク時には19,081人いらっしゃいました。きゅう師の総数は106,642人のうち、視覚障害者は14,307人で全体の13.4%ですが、ピーク時には18,164人いらっしゃいました。これらのデータは厚生労働省が毎年出す「衛生行政業務報告書」から引用したものです。

それから「歩行訓練士数」です。残念ながらまだ国家資格ではありません。養成課程を修了された方ということで、平成28年6月1日現在の数字です。 合計で917名の歩行訓練士がいらっしゃいますが、実際に業務として行っているのは531名で、57.9%となります。

最後に「盲導犬実働数」になります。これは平成29年1月1日現在の数字ですが、現在966頭の盲導犬がいます。このカッコ書きのところは「タンデム使用者」という言い方をしますが、1頭に対して2人で使っていらっしゃる方になります。その方を入れると988人が現在盲導犬を利用しています。 東京都がやはり一番多くて99人で、タンデム使用者を入れると100人です。大阪が61人で、兵庫44人、広島32人、愛知35人となっています。ちなみに埼玉は47人です。盲導犬は平成20年までは900頭後半でしたが、平成21年から1,000頭へと増え、27年にはまた900頭ということです。波はありますが、今は900頭前後になります。

ちなみに29年1月1日現在では、介助犬は74頭、聴導犬は67頭です。皆さんもご存じだと思いますが、盲導犬の根拠は「道路交通法施行令」の第8条第2項で定められています。ただ、介助犬と聴導犬については「身体障害者補助犬法」が根拠になっています。

視覚障害者に対する生活訓練を提供している施設は全国で72あり、入所、通所、訪問での訓練を行っています。ただ、国立の施設のように歩行、点字、日常生活、ロービジョンなど、すべてをオールマイティーに訓練しているところは民間でも少なく、県立のリハセンターや国立ぐらいです。

以上が、私が皆さんにお話したかった内容になります。ご清聴ありがとうございました。

【職場で頑張っています】

『明日の扉を開くために…』

東京都心身障害者福祉センター 理学療法士 
前田 ひすぎ(まえだ ひすぎ)氏

私は幼児期に網膜色素変性症を発症し、見えにくさの中で成長してきました。中心の視力は両眼ともに0.1程度はあったので、教科書などは何とか読むことができたのですが、視野が極度に狭く夜盲と色弱があって、生活全般でとても苦労してきました。

初めての場所を探しながら歩くことや、明るい屋外から建物の中に入ると明暗順応が悪く何も見えなくなってしまったり、目の前のものも視野に入らないために車止めのような縁石に躓いたり、時には階段やホームから転落してしまうということもありました。

「どうしてこんな小さな文字が見えるのに、そこにあるものが見えないの?」「こんな簡単なことができないの?」と聞かれることがよくあって、幼い頃から周囲の方々に自分の見え方を理解してもらうことにとても苦労してきました。

17歳の時に初めて自分の眼の病気について診断を受け、将来進行していく病気であることを知りました。ショックを受けたというよりは、私も普通に見えさえすれば当たり前に何でもできるのだ、頭が悪かったわけではなかったのだと変な安心感が先にあったことを覚えています。

私は生物化学が好きでしたので、将来はそれに関する仕事に就きたいと希望していました。しかし生物化学は微細な化学変化を見極めることが必要であり、視力がないと就職で厳しい状況になると言われました。進学で悩んでいる私を心配してくれた友人が、筑波大学付属盲学校に相談することを勧めてくれました。そこで理科の教鞭を取られている先生から、リハビリテーション医学「理学療法士」という職種があることを教えられました。私はこれがきっかけで理学療法士の道へとすすむことになりました。網膜色素変性症は進行していくために、鍼灸師あん摩指圧マッサージ師の国家資格も同時に取得し、現在に至っています。

理学療法士はリハビリテーション医学の一端を担い、救命医療で助かった命を引き継ぎ、人間らしく生きる権利を取り戻すために訓練や支援をしていくことが仕事です。

視力を失うという覚悟で進んだ道でしたが、手書きで書かれたリハビリ処方箋やカルテを読むこと、救命機器で囲まれた病室での訓練、口がきけない方とのコミュニケーション、歩行や動作分析など…視力がないと困難な仕事の連続で、私には理学療法士は無理だったのだと絶望した時期もありました。

リハビリでは、失った機能をカバーしながら残された能力をフルに使って、どうしたらできる?どんな工夫がある?と考え訓練していくことが基本です。それを教え訓練する私があきらめてしまったら、リハビリ自体を否定してしまうことになります。

私はまず、視力がないとどうしてもできないことと、工夫することで解決できることを整理し、職場環境の改革から努めていきました。 職場での物の配置や書類の場所などを隈なく覚え、判別が難しいものは点字を付けたり、触ってわかる目印などを貼って自分で確認できるように工夫していきました。少し視力がある時にはどうしても持つことができなかった白杖を持ち、患者さん方に自分が視覚障害者であることをきちんと伝えていきました。始業時間よりも1時間は早く出勤し職場を片づけたり準備をしていくことで、一日の仕事の流れを把握しスムーズに仕事ができるように努めていきました。また、同僚が嫌がる仕事ほど自分でできるように工夫し、積極的に取り組んでいきました。その代わり、視力がないとどうしてもできないことをお願いしていくという姿勢を貫いていきました。

こうした努力を積み重ねていった結果、職場の同僚や上司から「眼が見えなくてもこんなにできるのか」と信頼してもらえるようになり、見えないためにできないことは助けてあげようという気持ちを持ってもらえるようになっていきました。

当たり前に簡単にできる仕事も、見えないというだけでできないのはとても悔しいことです。私が仕事をする上で大切にしていることは、こんな風に環境を整えていただけたら…こんな風に手を貸していただけたら…私にもこれだけのことができますときちんと伝える努力をしていくことです。

私自身が、目が見えないと何もかもダメなのだと落ち込んでいる時は、全てが否定的にしか見えませんでした。悔しさをバネにして、どうしたらできる?と一歩踏み出した時に、世界が少し違って見えるようになっていきました。 自分自身が変われば、自分を取り巻く世界も変わる。ああなってくれたら、こうしてくれたらと周りに条件をつけるのではなく、どんな状況に投げられようとも立ち上がることができる人間でありたいと願うようになりました。

目が見えないということで私にはできないことがたくさんあります。それでも私には私にしかできない理学療法士としての役割もあるのではないかと思えるようになりました。 目が見えないという試練のお陰で、こんな人生の展開ができたというような生き方がしたいと願っています。感謝と喜びで立ち向かうことが、明日の扉を開くことに繋がるのだと私は信じています。

【お知らせコーナー】

ご参加をお待ちしております!!(今後の予定)

◎タートルサロン

毎月第3土曜日  14:00~16:00
*交流会開催月は講演会の後に開催します。
会場:日本盲人職能開発センター(東京四ツ谷)
情報交換や気軽な相談の場としてご利用ください。

◎交流会(予定)

9月16日(土)
講師:大胡田 誠氏 (弁護士)
テーマ:「共生社会の足音」
差別解消法施行から1年、私たち視覚障害者を取り巻く状況を弁護士の立場から解説し、展望を話していただきます。

11月18日(土)
講師:外谷 渉氏 (CISSP)

3月17日(土)
講師:石原 純子氏 (井上眼科病院 人事総務課)
テーマ:「自身の就労経験から考える眼科専門医療施設で働く視覚障害者の役割と思い」

※詳細は決定次第お知らせいたします。

一人で悩まず、先ずは相談を!!

見えなくても普通に生活したい、という願いはだれもが同じです。職業的に自立し、当り前に働き続けたい願望がだれにもあります。一人で抱え込まず、仲間同士一緒に考え、フランクに相談し合うことで、見えてくるものもあります。気軽にご連絡いただけましたら、同じ視覚障害者が丁寧に対応します。(相談は無料です)

正会員入会のご案内

認定NPO法人タートルは、自らが視覚障害を体験した者たちが「働くことに特化」した活動をしている団体です。疾病やけがなどで視力障害を患った際、だれでも途方にくれてしまいます。そんな時、仕事を継続するためにはどのようにしていけばいいかを、経験を通して助言や支援をします。そして見えなくても働ける事実を広く社会に知ってもらうことを目的として活動しています。当事者だけでなく、晴眼者の方の入会も歓迎いたします。
入会金はありません。年会費は5,000円です。

賛助会員入会のご案内

☆賛助会員の会費は、「認定NPO法人への寄付」として税制優遇が受けられます!
認定NPO法人タートルは、視覚障害当事者ばかりでなく、タートルの目的や活動に賛同し、ご理解ご協力いただける個人や団体の入会を心から歓迎します。
年会費は1口5,000円です。(何口でも結構です)
眼科の先生方はじめ、産業医の先生、医療従事者の方々には、視覚障害者の心の支え、QOLの向上のためにも賛助会員への入会を歓迎いたします。また、眼の疾患により就労の継続に不安をお持ちの患者さんがおられましたら、どうぞ、当認定NPO法人タートルをご紹介いただけると幸いに存じます。
入会申し込みはタートルホームページの入会申し込みメールフォームからできます。また、申込書をダウンロードすることもできます。
URL:https://www.turtle.gr.jp/hpmain/

ご寄付のお願い

☆税制優遇が受けられます!
認定NPO法人タートルにあなたのお力を!!
昨今、中途視覚障害者からの就労相談希望は急増の一途です。また、視力の低下による不安から、交流会やタートルサロンに初めて参加して来る人も増えています。それらに適確・迅速に対応する体制作りや、関連資料の作成など、私達の活動を充実させるために皆様からの資金的支援が必須となっています。
個人・団体を問わず、暖かいご寄付をお願い申し上げます。

★当法人は、寄付された方が税制優遇を受けられる認定NPO法人の認可を受けました。
また、「認定NPO法人」は、年間100名の寄付を受けることが条件となっています。皆様の積極的なご支援をお願いいたします。
寄付は一口3,000円です。いつでも、何口でもご協力いただけます。
寄付の申し込みは、タートルホームページの寄付申し込みメールフォームからできます。また、申込書の書式をダウンロードすることもできます。
URL:https://www.turtle.gr.jp/hpmain/

≪会費・寄付等振込先≫

●郵便局からの振込
ゆうちょ銀行
記号番号:00150-2-595127
加入者名:特定非営利活動法人タートル

●他銀行からの振込
銀行名:ゆうちょ銀行
金融機関コード:9900
支店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店)
支店コード:019
預金種目:当座
口座番号:0595127
口座名義:トクヒ)タートル

ご支援に感謝申し上げます!

昨年度も多くの皆様から暖かいご寄付を頂戴しました。心より感謝申し上げます。また、賛助会費も確定申告で寄付控除の対象となります。これらのご支援は、当法人の活動に有効に使用させていただきます。
今後とも皆様のご支援をお願いいたします。

活動スタッフとボランティアを募集しています!!

あなたも活動に参加しませんか?
認定NPO法人タートルは、視覚障害者の就労継続・雇用啓発につなげる相談、交流会、情報提供、セミナー開催、就労啓発等の事業を行っております。これらの事業の企画運営に一緒に活動するスタッフとボランティアを募集しています。会員でも非会員でもかまいません。当事者だけでなく、晴眼者(目が不自由でない方)のご支援も求めています。首都圏だけでなく、関西や九州でもボランティアを募集しています。
具体的には事務作業の支援、情報誌の編集、HP作成の支援、交流会時の受付、視覚障害参加者の駅からの誘導やスカイプの操作等いろいろとあります。詳細については事務局までお気軽にお問い合わせください。

タートル事務局連絡先

Tel:03-3351-3208
E-mail:m#ail@turtle.gr.jp
(SPAM対策のため2文字目に # を入れて記載しています。お手数ですが、上記アドレスから # を除いてご送信ください。)

【編集後記】

全国のタートル会員の皆様、お元気でお過ごしでしょうか? 私事ですが、この度本社が移転になり新たな通勤経路で出勤になりました。経験のある方もおられるかもしれませんが、「歩行訓練」はとても疲れるもので、訓練最中は毎日帰宅しては眠るだけになりました。単なる街から想い出の街へ。この機会にほんの少しではありますが、今まで通勤で出会った方々へ「my thanks lists」を…。

東南アジアからの帰国子女の彼女は、とても遠回りになってしまうのにもかかわらず、私の会社まで付き添ってくれました。たまにお会いする度とても優しいかただなぁと思うのですが、ありがとう!海外の方も多く出会いました。最近で想い出深いのは、日本に来て5年目の韓国人の会社員。彼は、同じ時間に出勤する私を見ながら「いつ声をかけたらいいか?」と思っていたそうです。一緒に歩きながらそんな話をしました。ありがとう!幼いお嬢さんが盲学校に通っているという会社員の方などなど…書きつくせない想い出がたくさん!皆さんありがとう!!

ただ、このような「優しさ」の裏側には、この何十倍もの「悲しさ」もあります。「邪魔だ!」といって突き飛ばされることもあれば、「何でこんな所にいるの?」と陰口をたたかれることもありました。扉付近のポールにつかまっていたときに「足が触れているんだよ!」と怒声が響き「謝れ!」といわれたときには「理不尽だな」と心の中で呟いたものです。でもでも、それも「想い出」。沢山の想い出が詰まった~私の素敵なこの街~に精一杯のThanks!!

さて、今回の「情報誌」はいかがでしたでしょうか?これからも、会員の皆様に楽しんで頂けるような誌面にしていきたいと思っております。どうぞ宜しくお願い致します!!

(市川 浩明)

奥付

特定非営利活動法人 タートル 情報誌
『タートル第39号』
2017年5月23日発行 SSKU 増刊通巻第5779号
発行 特定非営利活動法人 タートル 理事長 松坂 治男