事例91

東海在住  60代以上女性

身体障害者手帳等級: 5級
不自由を感じたのは: 30代
疾患名:黄斑疾患
現在の見え方: 中心暗点、羞明、その他 色弱

勤務先の業種: 教育・学習支援業
職種: 教職
具体的作業内容: 中学国語4~5クラスの授業(教科書本文はゴシック体の拡大文字に変換)、音声パソコンてプリント作り、拡大読書器で採点、生徒一人一人に5個の観点にABCを表記した上で5段階評価をする成績処理、部活、分掌等。
雇用形態:正規社員(職員)
テレワークの状況: テレワークなし

視覚補助具:
・遮光眼鏡
・タイポスコープ
・ルーペ・拡大鏡
・単眼鏡
・PC画面による調整(拡大・色反転など)
その他 プレクストーク

支援機器:
支援機器は使用していない

人的支援の状況:
・周囲の同僚によるナチュラルサポート
・その他 知り合いの盲学校教員による、職場の音声パソコン作動のサポート

環境上の配慮:
・照明上の配慮・まぶしさを軽減するための間仕切りの設置などの配慮

勤務時間・通勤の配慮:
・受けていない

訓練受講に際しての配慮:
・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった
・休職して訓練を受けた

苦労したこと:
・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった
・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった
・視力は低下したが、身体障害者手帳には該当せず苦労した
・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった
・自分でもどうしたらよいのかわからなかった
・自分のやりたい仕事ができなくなった
・懸命にがんばっても効率が上がらず残業が増えて消耗した
・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった
・適当な訓練施設が居住地の近辺にはなかった
・その他 手書き文字の読み書きが多かった

有用だったこと:
・眼科医・視能訓練士による助言・支援
・タートルなど当事者団体による支援
・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援
・職場関係者による支援
・労働組合による支援
・その他 生徒による筆記具等の支援

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
工夫したことの1つ目は、春休み中に、今の自分に出来ることと出来ないことを校長にはっきり伝えたことである。2つ目は、校長の許可を得て、4月当初の会議で全職員に、自分の見え方をプリントで説明したことである。3つ目は、中国鍼の治療で目の奥の痛みをずっと取ってきたことである。心掛けたことは、楽しくわかりやすい授業をすることである。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
生徒の顔がのっぺら坊に見えることが急激に増えた時期に、「やめたら」と言われたくなくて誰にも言わなかった。精神科を勧められたが解決しないと思った。その後退職を考えた時期に、親が人工透析でアルツハイマーで在宅介護だった。しかし、タートルで紹介されたロービジョンケアの熱心な医師のおかげで固視訓練に成功し、拡大読書器で全く酔わなくなり、復職できた。どうぞ、皆様に良い出会いがありますように。