事例61

関西在住  60代以上男性

身体障害者手帳等級: 1級
不自由を感じたのは: 10代
疾患名:網膜色素変性症
現在の見え方: 求心性視野狭窄、輪状暗点、羞明、夜盲

勤務先の業種: 官公庁・公的機関
職種: 事務職
具体的作業内容: 会館施設の予算編成・執行に関すること。会館予約システムの入出力。総合文化祭の開催運営。ビル管理システムの入札・契約に関すること。 夜間勤務職員への会館予約システム運用を指導。
雇用形態:正規社員(職員)
テレワークの状況: テレワークなし

視覚補助具:
・白杖
・遮光眼鏡
・タイポスコープ
・ルーペ・拡大鏡
・PC画面による調整(拡大・色反転など)

支援機器:
・拡大読書器
・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー)
・PC画面拡大ソフト
・OCRソフト

人的支援の状況:
・周囲の同僚によるナチュラルサポート

環境上の配慮:
・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など)

勤務時間・通勤の配慮:
・受けていない

訓練受講に際しての配慮:
・週末の休日または夜間を利用して自費で訓練を受けた

苦労したこと:
・自分でもどうしたらよいのかわからなかった
・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった
・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した
・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった
・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった
・適当な訓練施設が居住地の近辺にはなかった
・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった

有用だったこと:
・眼科医・視能訓練士による助言・支援
・タートルなど当事者団体による支援
・その他 全視協の盲学校の先生やその仲間が相談に応じてくれた。

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
電話対応は、常に丁寧に応対し、クレーム対応が生じた場合の早期解決に努める。
パソコン操作におけるショートカットキーを習熟すること。予約システム等のマニュアルの作成。財務会計システムの使い方の工夫を心掛けること。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
タートルの仲間とのつながりを深めるとともに、自分が中途失明を乗り越えたと感じたら、困った仲間が現れたら支援する。ロービジョン学会並びに視覚障害リハビリテーション協会の情報を注視するとともに、医療職並びに福祉職の方々との親交を深める。仕事以外の共通する趣味仲間との親交の継続を図る。