事例51

首都圏在住  50代男性

身体障害者手帳等級: 1級
不自由を感じたのは: 20代
疾患名:網膜色素変性症
現在の見え方: 中心暗点、輪状暗点、夜盲

勤務先の業種: 官公庁・公的機関
職種: 技術職・研究職
具体的作業内容: 職場の情報アクセシビリティ確保の推進、障害の支援技術の照会、情報システムの障害対応、WebコンテンツのJIS X 8341-3:2016への対応と、コンテンツ作成方法の情報提供、視覚障害等の就労の方法のアドバイス
雇用形態:正規社員(職員)
テレワークの状況: ときどきテレワーク

視覚補助具:
白杖、遮光眼鏡、タイポスコープ(黒いモノサシ、サインガイドなどを含む)、ルーペ・拡大鏡、単眼鏡、PC画面による調整(拡大・色反転など)、その他 iPhoneによる拡大など

支援機器:
・拡大読書器
・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー)
・OCRソフト
・タブレット端末
・スマホ

人的支援の状況:
・周囲の同僚によるナチュラルサポート
・専任のアシスタントによるサポート
・会議室など社内の移動の際のサポート
・昼食・休憩時のサポート

環境上の配慮:
・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など)

勤務時間・通勤の配慮:
・受けていない

訓練受講に際しての配慮:
・休職して訓練を受けた

苦労したこと:
・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった
・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった
・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった
・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった

有用だったこと:
・タートルなど当事者団体による支援
・訓練施設による支援
・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用
・職場関係者による支援
・家族による支援
・その他 職場内の障害者就労や、障害学生支援をテーマとする研究室の先生の全面的な協力が得られたのは、とても有効でした。

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
多くの人は視覚障害者がどんな仕事をできるか想像できません。そこで職場の情報システムに対応を依頼したリ、iPhoneなどの便利な支援技術も活用しています。自分にできることを示し、同僚と調整して仕事を分担。単独でできる仕事もありますが、多くは視覚が必要なため、同僚と役割を細かく分けて協力しています。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
視覚障害者が「見る」必要のある仕事を任されれば、当然難しいでしょう。しかし、見なければならない部分を他の人が補えば、できることは多くあります。特性に合わせて仕事を工夫すれば、活躍の場は広がります。組織での対応は簡単ではありませんが、理解を得ながら進めていきましょう。