事例42

東北在住  40代男性

身体障害者手帳等級: 2級
不自由を感じたのは: 20代
疾患名:網膜色素変性症
現在の見え方: 求心性視野狭窄、羞明、夜盲

勤務先の業種: 官公庁・公的機関
職種: 事務職
具体的作業内容: 主な仕事は、パソコンを使用しての情報収集、情報分析、企画立案である。
最も多い作業は、データを様々な切り口で分析し、問題点を見つけ、解決に向けアクションを考えること。
雇用形態:正規社員(職員)
テレワークの状況: ときどきテレワーク

視覚補助具:
・白杖
・遮光眼鏡
・PC画面による調整(拡大・色反転など)

支援機器:
・拡大読書器
・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー)
・点字ディスプレイ

人的支援の状況:
・周囲の同僚によるナチュラルサポート
・会議室など社内の移動の際のサポート
・社外でのイベント、懇親会でのサポート

環境上の配慮:
・レイアウトの配慮
・入室時のセキュリティを解除するための配慮

勤務時間・通勤の配慮:
・受けていない

訓練受講に際しての配慮:
・休職して訓練を受けた

苦労したこと:
・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった
・自分でもどうしたらよいのかわからなかった
・自分のやりたい仕事ができなくなった
・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった
・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった
・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった

有用だったこと:
・眼科医・視能訓練士による助言・支援
・タートルなど当事者団体による支援
・訓練施設による支援
・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援
・地元の支援機関・団体による支援
・職場関係者による支援
・家族による支援

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
心掛けていることは、次の3つである。
1.自分の見え方やできることとできないことを整理し、上司、同僚に共有すること。
2.上司、同僚から気にかけてもらえるように、日頃からコミュニケーションをとる努力をすること。
3.周囲に認めてもらうため、一生懸命仕事をすること(自己研鑽を含む)。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
視覚障害者が働くのは、健常者に比べてストレスが多いと感じている。
このストレスを乗り越えるため、私は次の3つの「喜び」を大事にして働いてきた。
働くことができる喜び、仕事をとおしてできることが増える喜び、そしてチームの役に立てた喜びである。
皆さんも仕事で得られる「喜び」を意識して働いてみてはいかが。