事例103

関西在住  50代男性

身体障害者手帳等級: 1級
不自由を感じたのは: 40代
疾患名:緑内障
現在の見え方: 全盲

勤務先の業種: 学術研究、専門・技術サービス業(研究機関、法律事務所、会計事務所、デザイン事務所、コンサルティング会社など)
職種: 事務職
具体的作業内容: 在宅勤務を中心に情報収集活動を行い、関係者間で情報共有しています。内容は、視覚障害者の雇用、就労支援に関わる情報を、関係団体・機関が主催する講演会に参加するなどして網羅的に収集しています。

雇用形態:正規社員(職員)
テレワークの状況: ほとんどテレワーク

視覚補助具:
・白杖

支援機器:
・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー)

人的支援の状況:
・周囲の同僚によるナチュラルサポート
・会議室など社内の移動の際のサポート

環境上の配慮:
・レイアウトの配慮
・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など)

勤務時間・通勤の配慮:
・残業は免除してもらっている

訓練受講に際しての配慮:
・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった

苦労したこと:
・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった
・自分でもどうしたらよいのかわからなかった
・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった
・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった
・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった

有用だったこと:
・眼科医・視能訓練士による助言・支援
・タートルなど当事者団体による支援
・訓練施設による支援
・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援
・職場関係者による支援
・家族による支援

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
諦めずに自分にできることに積極的に取り組み、その姿勢で信頼を得ること、さらに能力や支援機器のスキルを高めることが大切です。そのためには、ビジョンを描き、熱意を持ってミッションに挑戦することが必要です。この積み重ねがモチベーションや自信につながり、継続的な就労を可能にすると考えます。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
視覚障害当事者による就労事例を参考に、ご自身に合った業務生産性を高める工夫等の情報をヒントに活用ができるよう挑戦していただければ、新たな展開が開けるのではないかと思います。是非、諦めずに仲間がいるということを心のよりどころにして、社会参加に一緒に挑戦していただければと思います。