事例94

関西在住  40代女性

身体障害者手帳等級: 1級
不自由を感じたのは: 30代
疾患名:緑内障、その他 網膜剥離ほか
現在の見え方: 全盲(正確には手動弁)、羞明、夜盲

勤務先の業種: 医療・福祉関連事業
職種: 相談員
具体的作業内容: 視覚障害者の支援団体での相談員。様々な相談を受け、気持ちの整理をお手伝いしたり、必要な情報の提供、手続きのサポートなどを行なっている。特に、福祉サービス、就学や就労、心理的なサポートの部分が中心。
雇用形態:正規社員(職員)
テレワークの状況: ときどきテレワーク

視覚補助具:
・白杖
・遮光眼鏡
・PC画面による調整(拡大・色反転など)
・その他 盲導犬

支援機器:
・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー)
・OCRソフト
・スマホ

人的支援の状況:
・周囲の同僚によるナチュラルサポート
・専任のアシスタントによるサポート
・会議室など社内の移動の際のサポート
・社外でのイベント、懇親会でのサポート

環境上の配慮:
・レイアウトの配慮
・照明上の配慮・まぶしさを軽減するための間仕切り設置等の配慮
・自席への誘導ブロックの敷設
・職場内の階段を見やすくする配慮、手すりの設置など
・エレベーターなど、職場までのアクセス上の配慮
・入室時のセキュリティを解除するための配慮
・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など)

勤務時間・通勤の配慮:
・受けていない

訓練受講に際しての配慮:
・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった
・就職活動に備えて訓練を受けた
・週末の休日または夜間を利用して自費で訓練を受けた

苦労したこと:
・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった
・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった
・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった
・自分でもどうしたらよいのかわからなかった
・自分のやりたい仕事ができなくなった
・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった
・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった

有用だったこと:
・タートルなど当事者団体による支援
・訓練施設による支援
・地元の支援機関・団体による支援
・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用
・職場関係者による支援
・家族による支援

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
自分にできることは進んでやることと、自分から積極的にコミュニケーションを取ることを心がけている。自分が感じたことや、わからなかったことなどは「相手にわかってもらえるだろう」ではなく、きちんと伝えることで、「どんなことに困っているのか」「どんなサポートを受けたいと思っているのか」ということをしっかり自分から発信することで、「助けてもらえなかった」とか、「必要なかったのに…」といったすれ違いがなくなるように工夫している。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
見えないことで難しいことや困ることはきっとあると思いますが、一方で、見えなくてもできることもたくさんあります。できないということにとらわれるのではなく、できないならできる方法を考える、できないなら違うことをやればいい。そんな思いで、ぜひ自分のできることに目を向けて、自分らしい活躍の仕方を見つけてほしいです。一緒に頑張りましょう!