事例90

東海在住  60代以上男性

身体障害者手帳等級: 1級
不自由を感じたのは: 20代
疾患名:その他 顔面挫傷(眼球破裂・眼球癆)
現在の見え方: 全盲

勤務先の業種: 教育・学習支援業
職種: 教職
具体的作業内容: 大学の非常勤講師。一般教養(講義科目と演習科目を担当)
雇用形態:契約社員
テレワークの状況: ときどきテレワーク

視覚補助具:
・白杖

支援機器:
・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー)

人的支援の状況:
・周囲の同僚によるナチュラルサポート
・通勤時のサポート

環境上の配慮:
・その他 教卓キーの手渡し(通常は保管庫から自分で取り出す)。出勤簿への押印の代行

勤務時間・通勤の配慮:
・受けていない

訓練受講に際しての配慮:
・その他 前職前に障害者職業能力開発校の委託訓練を受けた。前職後は、業務及び業務外の双方で自習した

苦労したこと:
・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった
・その他 現職(教職)と前職(システムエンジニア職)では、特に苦労したことはない。前々職(失明前)は主業務が機械設計・測定・実験作業であり、自分から再就職(情報処理技術者)を選択した

有用だったこと:
・ハローワークによる支援
・眼科医・視能訓練士による助言・支援
・訓練施設による支援
・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援
・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用
・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援
・家族による支援

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
1.代筆・代読など周囲へ依頼する作業は、できるだけ早く依頼するようにしている。そのために、依頼事項のまとめなどの準備は前倒しで行うことを意識している。
2.雇用支援機関や訓練機関との人的なつながりの確保、最新の支援技術に関する情報収集は、業務スキルの一つとして熱意をもって取り組むようにしている。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
視覚支援を含む情報処理技術のスキルは、どの職種でも役立つ重要な能力です。就職の機会は多くないため、十分なスキルがないと、その少ないチャンスを生かせません。必要なスキルを身につけて、一人ひとりがチャンスを逃さないようにしてほしいと思います。