事例50

北陸・甲信越在住  50代女性

身体障害者手帳等級: 1級
不自由を感じたのは: 40代
疾患名:網膜色素変性症
現在の見え方: 中心暗点、輪状暗点、羞明、夜盲

勤務先の業種: 官公庁・公的機関
職種: 事務職
具体的作業内容:
雇用形態:正規社員(職員)
テレワークの状況: テレワークなし

視覚補助具:
・白杖
・遮光眼鏡
・タイポスコープ
・ルーペ・拡大鏡
・PC画面による調整(拡大・色反転など)

支援機器:
・拡大読書器
・大画面のPCモニター

人的支援の状況:
・その他 どうしても自分にサポートが必要な時のみ、係長に依頼をしていた。

環境上の配慮:
・その他 壁や床に目印のシールを貼ること。

勤務時間・通勤の配慮:
・残業は免除してもらっている
・その他 雪のため帰るのが困難な時は、自分の休暇を使って早退することを許可されていた。

訓練受講に際しての配慮:
・休職して訓練を受けた
・その他 訓練用の特別休暇がなかったため、病気休暇で訓練が必要との診断書を得て提出した。

苦労したこと:
・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった
・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった
・自分でもどうしたらよいのかわからなかった
・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった
・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった
・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった

有用だったこと:
・眼科医・視能訓練士による助言・支援
・タートルなど当事者団体による支援
・訓練施設による支援
・職場関係者による支援

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
仕事への意欲や態度は周囲に劣らないよう意識し、出勤や休暇で迷惑をかけないよう配慮していました。手を借りず自力で対応することを心掛け、質問や相談は相手の状況を見てタイミングを考えて行っていました。しかし、無理を続けるうちに限界を感じたため、周囲に配慮しつつ自分も無理をしすぎない、バランスの良い気遣いが大切だと実感しました。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
視覚障害者を取り巻く環境は以前より良くなっていますが、職場ではすべてに配慮が行き届いているとは限りません。直属の上司の理解の有無が運命を左右すると感じます。ただ、理解を求めることで道が拓けることもあるはずです。職場や個人の状況は様々なので、情報収集や学びを大切にし、自分に合った働き方を模索することが大切だと思います。あきらめずに頑張っていきたいです。