事例25

首都圏在住  40代女性

身体障害者手帳等級: 1級
不自由を感じたのは: 10歳未満
疾患名:視神経疾患
現在の見え方: 全盲

勤務先の業種: 金融・保険業
職種: 事務職
具体的作業内容: 各種システム会議の議事録作成、業務照会への回答、棚卸し関連業務を担当している。
以前に、各種申請対応や外部記録媒体監視、異動対象者への情報提供などを担当した。
雇用形態:正規社員(職員)
テレワークの状況: ほとんどテレワーク

視覚補助具:
・白杖

支援機器:
・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー)
・OCRソフト
・点字ディスプレイ

人的支援の状況:
・周囲の同僚によるナチュラルサポート
・会議室など社内の移動の際のサポート
・社外でのイベント、懇親会でのサポート

環境上の配慮:
・受けていない

勤務時間・通勤の配慮:
・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている
・テレワークを増やしてもらっている

訓練受講に際しての配慮:
・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった
・週末の休日または夜間を利用して自費で訓練を受けた

苦労したこと:
・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった
・自分のやりたい仕事ができなくなった
・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった
・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった
・システム上の問題でテレワークを認めてもらえなかった
・その他 異動を指示され歩行訓練まで受けたのに、通勤時の危険性を理由に結局異動させてもらえなかった。

有用だったこと:
・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援
・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用
・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援
・職場関係者による支援
・家族による支援

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
常に周囲の状況に気を配る。
環境の変化に瞬時に対応する。
必ずメモをとりながら話を聞く。
耳の負担軽減のため、こまめに休憩をとる。
必要な時は自分から援助を頼む。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
全盲のスタートは仕事がないところから。何もすることがなくても落ち込まず、退職は避けるべき。声をかけても反応がない時は少し休み、証跡を残して依頼(日時・宛先・内容)を伝える。それでも反応がなければ上位者に相談を。システム含め環境が変わりそうな時は早めに動く。変化後では遅い。