事例21

首都圏在住  50代男性

身体障害者手帳等級: 2級
不自由を感じたのは: 30代
疾患名:網膜色素変性症
現在の見え方: 全盲

勤務先の業種: 商社・卸・小売業
職種: 事務職
具体的作業内容: 販売企画。
社会貢献活動の運営。
雇用形態:正規社員(職員)
テレワークの状況: ほとんどテレワーク

視覚補助具:
・白杖
・遮光眼鏡

支援機器:
・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー)
・OCRソフト
・スマホ

人的支援の状況:
・周囲の同僚によるナチュラルサポート
・会議室など社内の移動の際のサポート
・昼食・休憩時のサポート
・社外でのイベント、懇親会でのサポート

環境上の配慮:
・レイアウトの配慮
・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など)

勤務時間・通勤の配慮:
・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている
・テレワークを増やしてもらっている

訓練受講に際しての配慮:
・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった

苦労したこと:
・自分でもどうしたらよいのかわからなかった
・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった
職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった
・その他 会社への障害開示のタイミング。結果的には、問題なかったが、不利な扱いを受けるのではないかととても不安であった。

有用だったこと:
・タートルなど当事者団体による支援
・訓練施設による支援
・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援
・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用
・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援
・職場関係者による支援

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
自分ならではのできることをどのように実現して成果を出すか、ここに最も注力すること。相手の立場を考えた上で、自分の主張、相談、依頼をすること。依頼事項がうまく伝わっていない時、どうすれば理解してもらえるかを考えること。障害に対して、理解しようとする人、しようとしない人がいることを意識して、支援者を増やすこと。相手のメリットを考えること。感謝を述べること。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
障害の社会モデルを理解し、視覚障害があるからこそできる自分ならではの仕事を、主体的に探求し続けてほしい。それが自身の成果となり、社会のため、次に続く人のためになると思う。困難に直面したり、権利の主張が認められない時には、暖簾のようにしなやかに自分を見失わないこと。視覚障害のある自分をありのままに認めて、したたかに目標に向けて歩み続けてほしい。理想はそれぞれ。長期的視点を持ち続けてほしい。