事例11

首都圏在住  50代男性

身体障害者手帳等級: 2級
不自由を感じたのは: 40代
疾患名:緑内障
現在の見え方: 中心暗点

勤務先の業種: 製造業
職種: 技術職・研究職
雇用形態:正規社員(職員)
テレワークの状況: ほとんどテレワーク

視覚補助具:
・白杖
・遮光眼鏡
・タイポスコープ
・ルーペ・拡大鏡
・PC画面による調整(拡大・色反転など)

支援機器:
・拡大読書器
・大画面のPCモニター
・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー)
・PC画面拡大ソフト
・OCRソフト
・スマホ

人的支援の状況:
・周囲の同僚によるナチュラルサポート

環境上の配慮:
・レイアウトの配慮
・照明上の配慮・まぶしさを軽減するための間仕切り設置等の配慮。災害発生時を考慮して、柱の角を認識するために、目立つクッションを付けてもらっています。

勤務時間・通勤の配慮:
・その他 視覚障害としての配慮ではないが、残業時間の上限を通常よりも少ない時間に制限してもらっています。

訓練受講に際しての配慮:
・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった
・その他 学んだスキルを使えるようになるため、定期的に「初心者に教える」という方法で、知識を深めた。また、NVDAエキスパート認定制度を利用し、資格を取得することで、知識とスキルの確認を行なった

苦労したこと:
・自分のやりたい仕事ができなくなった
・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった
・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した
・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった
・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった
・その他 配属された部署で、自分が出来る仕事を見つけて、認めてもらうまでの手探り作業が大変だった。待っていても、やりがいのある業務を会社が見つけてくれるということは無かった。

有用だったこと:
・眼科医・視能訓練士による助言・支援
・タートルなど当事者団体による支援
・訓練施設による支援
・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援
・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用
・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援
・職場関係者による支援
・その他 職場における、当事者のコミュニティでの情報交換が励みになりました。

<働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること>
会社も、自分も、全てにおいて前例がないので、一つずつ手作りをしていくようなつもりでいます。前例は会社の外にあるので、社外セミナーから情報を得るようにしています。中途視覚障害なので、自分のイメージしている感覚のとおりに物事が進まない時が多々ありますが、それを受入れて、確実に前を向いて前進できるように努めています。

<後に続く仲間に伝えたいこと>
多様性、ユニバーサルデザイン、インクルーシブデザイン、アクセシビリティといったキーワードによって、世の中は確実に働きやすい環境に近づいて行くと思います。誰にでも使いやすい世の中が実現するのを待つのではなく、作り出す担い手として、会社と個人がウインウインの関係を築いていってもらいたいと思います。世の中は、デジタル・“アクセシビリティネイティブ”を求めています!全ての望みがかなうことを祈っています。