事例78 関西在住  20代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 10代 疾患名:視神経疾患 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 運輸・物流・倉庫業 職種: 事務職 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・タブレット端末 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・その他 フレックスタイム制を適用している 訓練受講に際しての配慮: ・休職して訓練を受けた 苦労したこと: ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・適当な訓練施設が居住地の近辺にはなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・職場産業医による支援 ・労働組合による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> つらい時でも粘り強く続けることが大切である。 <後に続く仲間に伝えたいこと> つらい時は息抜きに、地元の団体やタートル等が主催する交流会に参加することが大事である。 事例79 首都圏在住  20代女性 身体障害者手帳等級: 6級 不自由を感じたのは: 生まれつき見えづらかった 疾患名:その他 未熟児網膜症 現在の見え方: 羞明、その他 視力障害(右目0、左目0.3) 勤務先の業種: 運輸・物流・倉庫業 職種: 事務職 具体的作業内容: 業務システムを使った経理人事データ入力・承認作業、業務委託先との電子契約(Wordで契約書作成、外部の電子契約サービスで契約締結、Excelマクロで予算策定と管理)、パワーポイントを使ったマニュアル作成など 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・遮光眼鏡 ・ルーペ・拡大鏡 ・単眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・タブレット端末 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・照明上の配慮・まぶしさを軽減するための間仕切り設置等の配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・就職活動に備えて訓練を受けた 苦労したこと: ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・ハローワークによる支援 ・ネット上の求人サイトによる支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 今実現できている支援や配慮を後輩入社後も実現できるように、支援の継続に向けた現状整理や関係者との打ち合わせを進めています。日々、試行錯誤しながら実現したいことと出来ることの落としどころを探っています。 事例80 東北在住  30代男性 身体障害者手帳等級: 非該当 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 夜盲 勤務先の業種: 運輸・物流・倉庫業 職種: 事務職 具体的作業内容: イレギュラーな顧客への対応及び関連する事務作業 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: 視覚補助具は使っていない 支援機器: 支援機器は使用していない 人的支援の状況: サポートは受けていない 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・自分のやりたい仕事ができなくなった 有用だったこと: 特になし <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 今のところ、軽い夜盲がある程度で、仕事上の支障はない。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 疾患がわかっただけで、やりたい仕事ができなくなったのは残念だが、受け容れるほかはない。 今は懸命に目の前の仕事をこなしている。 事例81 東海在住  40代女性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 生まれつき見えづらかった 疾患名:その他 眼皮膚白皮症 現在の見え方: 羞明、その他 弱視、眼振 勤務先の業種: 運輸・物流・倉庫業 職種: 事務職 具体的作業内容: 議事録の作成、社内ポータルサイトへの社員周知情報の掲載、自社サービスwebサイトのアクセシビリティ上の課題に対する改善提案や社員向けサイト等情報アクセシビリティ向上のための改善提案・啓発等。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・照明上の配慮・まぶしさを軽減するための間仕切り設置等の配慮 ・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など) ・その他 デスクはフリーアドレス制だが固定席にしてもらう 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を短縮してもらっている ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった ・その他 配慮依頼事項を「特別扱い」ではなく「就労上必要な配慮」と割り切って捉えること。 自分の状況・課題の正確な理解とそれを職場に伝えること。 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・職場関係者による支援 ・職場産業医による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 真摯に業務に取組み、感謝の気持ちを常に忘れず相手に伝える。自分の状況や困り事を一人で抱え込まず「見える化」するよう上司や周囲と共有し、周囲を巻き込み協力しながら課題解決を図れるよう心掛けている。そのために自分の状況を正確に把握し、情報収集に努め、相手が理解・納得し、受け入れやすいよう丁寧に伝える。他人の評価をいちいち気にせず、何が大事か、今の自分にできることを考え実行。自分のマインドセットは重要。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 「カメならいいのよ、ウサギじゃなければ」と、先日職場である人が私に言った。状況改善のために取組むことが山積みだったとしても、カメの歩みのように一つずつ取り組んでいけば、課題の山は徐々に小さくなっていき、少しずつ前に進むことができる。前問の内容はその過程で失敗もしながら気付いていった事だと振り返る。方法は一つだけではない。周囲と心を通わせながら歩むカメは、地味だが、意外と強いかもしれない。 事例82 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 夜盲 勤務先の業種: 運輸・物流・倉庫業 職種: 事務職 具体的作業内容: 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・白杖 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート ・昼食・休憩時のサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート ・通勤時のサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・照明上の配慮・まぶしさを軽減するための間仕切り設置等の配慮 ・エレベーターなど、職場までのアクセス上の配慮 ・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など) 勤務時間・通勤の配慮: ・残業は免除してもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・有給休暇を消化しながら訓練を受けた 苦労したこと: ・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・システム上の問題でテレワークを認めてもらえなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・職場産業医による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> できない仕事は、はっきり「できない」と言うが、常にできることをさがしている。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 人間関係は大事です。当たり前ですが挨拶は無視されてもする。