事例62 首都圏在住  20代女性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 生まれつき見えづらかった 疾患名:視神経疾患 現在の見え方: その他 弱視 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 技術職・研究職 具体的作業内容: サイトの運用保守 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト 人的支援の状況: ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・その他 その都度相談しながら進めているので何とかなっているが、他社開発のツールで使いにくい部分はある。 有用だったこと: ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 <後に続く仲間に伝えたいこと> できることではなく、やりたいことを見つけてやりたいことを軸に就活してください。 事例63 関西在住  20代男性 身体障害者手帳等級: 4級 不自由を感じたのは: 20代 疾患名:緑内障 現在の見え方: 求心性視野狭窄、羞明 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 具体的作業内容: グループ会社の社員を対象にした雇用保険の事務手続き業務 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・タイポスコープ ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 周囲の方々への感謝、傾聴力など。常々助けてもらっていることへの感謝と、周囲の方の思いを傾聴でくみ取ること。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 「他人や過去は変えられないが、未来と自分は変えられる」という名言があるように、タートルの会のお陰で、自分自身の障害へのアプローチや将来の可能性を追い求めていくことができております。同士の仲間がより集まればさらに新しい道が拓けると信じています。 事例64 関西在住  30代男性 身体障害者手帳等級: 3級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:緑内障、網膜剥離 現在の見え方: 中心暗点、不規則性視野狭窄 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・タイポスコープ ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・大画面のPCモニター ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・職場内の階段を見易くする配慮、手すりの設置など ・エレベーターなど、職場までのアクセス上の配慮 ・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など) 勤務時間・通勤の配慮: ・その他 業務量、内容の緩和 訓練受講に際しての配慮: ・有給休暇を消化しながら訓練を受けた 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・視力は低下したが、身体障害者手帳には該当せず苦労した ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった ・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・上司や同僚に自分の見え方をななかなか理解してもらえなかった ・適当な訓練施設が居住地の近辺にはなかった ・システム上の問題でテレワークを認めてもらえなかった 有用だったこと: ・ハローワークによる支援 ・ネット上の求人サイトによる支援 ・タートルなど当事者団体による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 晴眼者の方からも仕事のスピードや内容について配慮いただいているので、なるべく自分ができる、できそうなことは自分から発信して、お互い支え合えるような環境を目標にしております。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 眼科医と一言で言っても十人十色で、単に治療をすれば良いという先生もあれば、具体的にどのように生活、あるいはどのような社会的サポートがあるという提案もしてくださる先生もおられます。また、周囲の仲間についても同様です。私は自分で抱え込んで苦しい期間が続きましたが、タートルに出会えてから道が拓けてきました。これからも、みんな仲間です。 事例65 関西在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 生まれつき見えづらかった 疾患名:角膜疾患、網膜剥離、その他 先天性白内障 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 具体的作業内容: 人事部門での企画業務およびオペレーション業務。 1.ストレスチェックの企画、運営 2.安全衛生委員会の事務局(企画、運営、事業所間調整) 3.従業員の勤怠管理、休暇取得促進 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・休職して訓練を受けた 苦労したこと: ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった ・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった ・その他 処遇で差別的取り扱いを受けた。全盲になったことのみを理由として給与を大幅に減額された(明確な法律違反)。 有用だったこと: ・訓練施設による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 手柄は周囲に与えて自分は目立ちすぎないようにしている。自分の存在価値を認めてもらうためにも相手においしいところを持って行ってもらうことにしている。 自己主張をしすぎず謙虚にふるまうことを心掛けている。 <後に続く仲間に伝えたいこと> それまでの自分が一生懸命に生きてきているのであれば、目が見えない、見えにくくなってもそれまでの自分が積み重ねたキャリアで続けられる仕事は必ずあります。 眼科医だけに依存するのでなく、周囲の仲間から情報を得て就労を継続されることを強く願います。 事例66 首都圏在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 生まれつき見えづらかった 疾患名:緑内障、その他 先天性白内障、小眼球、眼球振盪 現在の見え方: その他 右目0、左目低視力 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 技術職・研究職 具体的作業内容: システムやソフトウェアの調査、設計、評価等 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト ・OCRソフト ・タブレット端末 ・スマホ 人的支援の状況: ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 所属部署ではサポートが受けられない 所属外の行事ではサポートをいただけている 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・週末の休日または夜間を利用して自費で訓練を受けた ・特別支援学校などの在学中に訓練を受けた 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった ・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・ネット上の求人サイトによる支援 ・タートルなど当事者団体による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 新しい機器や機能、アイディアグッズなど何でも試して少しでも自分が仕事しやすい工夫を見つけている。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 困ったときは一人で悩まず、タートルなどの当事者団体に相談した方が良い。同じ苦労をしている人が必ずいるし、業務が特殊でもヒントを得て自分用にアレンジして生かせることが必ずある。 事例67 首都圏在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 5級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:緑内障 現在の見え方: 不規則性視野狭窄 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 具体的作業内容: 企画総務部にて、事業計画策定や労務厚生、人事育成、総務業務に従事 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・ルーペ・拡大鏡 支援機器: ・タブレット端末 ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 職場の同僚に自分の眼の状況について伝え、理解してもらえるように日々努めています。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 規則正しい生活で体調管理をすることと、今できることを前向きに捉えるように心掛けています。 事例68 首都圏在住  40代女性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:緑内障 現在の見え方: 中心暗点、求心性視野狭窄、羞明 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 具体的作業内容: 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・遮光眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・支援機器は使用していない 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・外部の業者によるサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を短縮してもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 無理をし過ぎず、常に少しの余裕を持つように心掛けています。 <後に続く仲間に伝えたいこと> ひとりで悩まずにたくさんの支援と繋がり、様々な情報を得てサポートを受けることで、続けられることはあると思います。 事例69 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:緑内障 現在の見え方: 不規則性視野狭窄、夜盲 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 具体的作業内容: 放送局で報道の仕事をしている。自ら取材し、原稿を書くとともに全体の取りまとめの業務もある。テレビやラジオに出演し、話をすることもある。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・OCRソフト ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・昼食・休憩時のサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・入室時のセキュリティを解除するための配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった ・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援、ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・地元の支援機関・団体による支援 ・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 仕事のスキルを上げるべく努力することは必要だが、どこまでは自分にできて、どんなことはサポートをしてほしいかを明確にすること。職場の中で円滑なコミュニケーションに心掛け、いつでも困った時に相談できる環境を整えること。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 視力を失って平気でいられる人はいない。どうやって生きていいのか、わからなくなるのは当たり前のことだ。でも、落ち込んでいるだけでは前に進めない。世の中には助けてくれる人、相談に乗ってくれる人が必ずいる。そのような人たちの力を借りることをためらわず、新たな進路を切り拓いてほしい。そのプロセスにこそ、人生の価値はあると思う。 事例70 関西在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 中心暗点、求心性視野狭窄、夜盲 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 技術職・研究職 具体的作業内容: ソフトウェアのテクニカルサポート 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: 完全にテレワーク 視覚補助具: ・遮光眼鏡 支援機器: ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援 ・職場関係者による支援 ・労働組合による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 基本的に何でもする。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 自分でもできてはいないが、人と比べないことを心掛ける。 事例71 北陸甲信越在住  50代女性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:その他 原因不明のぶどう膜炎 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 技術職・研究職 具体的作業内容: SNSチェック。SNSに投稿された、会社や、サービスについて書かれた、ネガとポジを報告する仕事。 雇用形態:パートタイマー・アルバイト テレワークの状況: 完全にテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・専任のアシスタントによるサポート 環境上の配慮: ・完全テレワークのための環境整備 勤務時間・通勤の配慮: ・その他 勤務時間はある程度希望がとおっている。 訓練受講に際しての配慮: ・その他 音声PCの操作については、地元大学への通いの講習で学んだ。 苦労したこと: ・視力は低下したが、身体障害者手帳には該当せず苦労した ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった 有用だったこと: ・ハローワークによる支援 ・地元の支援機関・団体による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 効率よく仕事ができるよう、常に考えて行動しています。スキルアップできる環境もあるため、自分にどんな仕事ができるのか、日々考え続けています。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 突然の原因不明の視覚障害で、定年まで働きたいという「当たり前」の日常が終わりました。見えない中で地方では、あはきしか職がなく、主婦をしながら進もうとしましたがケガで断念。その後、第3セクターとNPOなどの支援で視覚障害の若者が就職する姿に希望を持ち、私も行動し就職に繋がりました。夢は持ち続けることが大切だと感じました。 事例72 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:レーベル視神経症 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 具体的作業内容: データ入力/問い合わせ窓口(主にメール対応)/文書転記 など 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・専任のアシスタントによるサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった 有用だったこと: ・訓練施設による支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・職場関係者による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 社内でのコミュニケーションと体調管理に気を配っています。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 私はスクリーンリーダーでのPC操作技術を習得したことにより、就労に巡り合いました。現在は働きやすい環境(社会)になってきているかと感じています。自分の強みとなる武器を生かして仕事に挑戦いただけると良いと思います。 事例73 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 求心性視野狭窄 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・大画面のPCモニター ・PC画面拡大ソフト ・タブレット端末 ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: 苦労したことはない 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・職場産業医による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 自分の目の見え方、見えにくい状況、困っていること、支援してほしいことを具体的に同僚に伝える。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 障害の状況は個々人によってさまざまであり、苦労を感じる部分も人それぞれとは思いますが、きっと手助けをしてくれる人はいると思いますので、最後まであきらめないでください。 事例74 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 50代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 求心性視野狭窄 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・タイポスコープ ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・スマホ 人的支援の状況: サポートは受けていない 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・有給休暇を消化しながら訓練を受けた ・週末の休日または夜間を利用して自費で訓練を受けた 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・適当な訓練施設が居住地の近辺にはなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・訓練施設による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 周りは黙っていては何もわからない。SOSは遠慮しないで発信する。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 出来ないものは出来ないとはっきり伝える。無理をして頑張って消耗したのでは元も子もない。 事例75 首都圏在住  60代以上男性 身体障害者手帳等級: 5級 不自由を感じたのは: 50代 疾患名:緑内障、網膜色素変性症 現在の見え方: 求心性視野狭窄、羞明、夜盲 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: その他 営業企画職 具体的作業内容: 会社が扱うサービス(SaaS)商品の主管担当として、営業への販売支援を行う。 雇用形態:契約社員 テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・遮光眼鏡 支援機器: ・大画面のPCモニター 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: 苦労したことはない 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 若い頃は違いましたが、60歳を超えた今では「無理はせず、出来ない・苦手なことははっきり伝える」ようにしています。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 自分の専門性の高い分野が見つかる・見つけることが大切だと思います。自身が職場に必要な人材と認められるためにも。 事例76 首都圏在住  60代以上男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 中心暗点、羞明、夜盲 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 具体的作業内容: 産育休・求職者対応、契約関係の労務管理 雇用形態:派遣社員 テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・OCRソフト ・スマホ 人的支援の状況: ・専任のアシスタントによるサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・職場関係者による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 後ろ向きにならない、特別扱いを必要以上に求めない、自分でできることは自分で工夫して対応する。 <後に続く仲間に伝えたいこと> やり方次第で仕事は継続できます。無理だと思って辞めてしまう前に、適当なところに相談するのがよいと思います。 事例77 首都圏在住  60代以上男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:緑内障 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 情報通信業(ICT関連を含みます) 職種: 事務職 具体的作業内容: 各種サービスの顧客データベースの情報補助作業と全国各拠点への指示。主に、社内システムに登録された顧客情報が正しいかをチェックし、入力ミスや漏れのある情報を調査・収集し、適宜修正登録作業を行っている。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・タイポスコープ ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト ・OCRソフト ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・エレベーターなど、職場までのアクセス上の配慮 ・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など) 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・就職活動に備えて訓練を受けた 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・ハローワークによる支援 ・訓練施設による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> できないこと、できること、苦手なこと、得意なことなど、自分の状態を的確に上司や同僚に事前に伝えることを心掛け、上司や同僚が業務の切り出しをしやすいようにしている。 また、担当する業務は確実にこなしていけるスケジュールとタスク管理に努めている。 さらに、決して後退しないよう、わずかでも前進する努力をする。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 見えない、見えにくい現実から逃げることはできないですが、視覚障害者であっても成長する努力はできるはずです。高い意識を持って、努力を続けることができなければ、たとえ晴眼者であっても、就労の現場で評価されることはないでしょう。私たちは様々な支援を受ける権利を有しています。それに甘えるのではなく、利用する立場に立った時、福祉から巣立つことができ、共生社会の就労が実現するのだと思います。