事例23 九州・沖縄在住  20代女性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 10代 疾患名:視神経疾患 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: 人事部で主に社内研修・勉強会等の企画・運営を行っております。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・OCRソフト ・スマホ ・点字ディスプレイ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・エレベーターなど、職場までのアクセス上の配慮 ・入室時のセキュリティを解除するための配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・適当な訓練施設が居住地の近辺にはなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった ・その他 テレワーク勤務は入社1年未満の人は認められておらず、服薬が増えてもある程度は我慢しながら出社していた時期があります。また、周りの社員とのコミュニケーションにおいてもどうしても意識上の壁があり、さらにはスクリーンリーダーで読み上げない資料やアプリなども少なくなく、情報が入りづらいことで自分で判断できなかったり、仕事に制限があったりするのが悩みであり、苦労していることです。 有用だったこと: ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 質問やサポートの依頼などはしやすい環境なので、無理に自分でしようとせず、周りの助けも借りながら過ごしています。周りも何に困るのか、自然に気づいてくれるようになりますし、コミュニケーションも円滑になります。もちろん、自分にできること、できないことの説明、困りごとに関しては「なぜ困るのか」を、できるだけ説明するようにしています。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 私は比較的理解のある職場で勤務していますが、それでも日々壁を感じています。ただ、対話をする中で理解をしてくれ、友人のように親身になってくれる人もいます。やはり、そういった関係性は孤独感を軽減するだけでなく、仕事の幅も広げてくれます。できる仕事で活躍し、良好な人間関係を築くには、周りの努力だけでなく、障害者本人も自分について理解し、発信することが大切だと思います。皆さんの就職のご参考になれば幸いです。 事例24 首都圏在住  30代女性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:その他 脳腫瘍の後遺症 現在の見え方: 不規則性視野狭窄、羞明、夜盲 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: PCを使用した事務作業 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を短縮してもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・休職して訓練を受けた 苦労したこと: ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった ・その他 システム上の問題以外でテレワークを認めてもらえなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・職場関係者による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> <後に続く仲間に伝えたいこと> 私自身、タートルに相談しなかったら復職を諦めていたと思うので、ぜひ相談してみてほしいです。 事例25 首都圏在住  40代女性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 10歳未満 疾患名:視神経疾患 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: 各種システム会議の議事録作成、業務照会への回答、棚卸し関連業務を担当している。 以前に、各種申請対応や外部記録媒体監視、異動対象者への情報提供などを担当した。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・OCRソフト ・点字ディスプレイ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった ・週末の休日または夜間を利用して自費で訓練を受けた 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった ・システム上の問題でテレワークを認めてもらえなかった ・その他 異動を指示され歩行訓練まで受けたのに、通勤時の危険性を理由に結局異動させてもらえなかった。 有用だったこと: ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 常に周囲の状況に気を配る。 環境の変化に瞬時に対応する。 必ずメモをとりながら話を聞く。 耳の負担軽減のため、こまめに休憩をとる。 必要な時は自分から援助を頼む。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 全盲のスタートは仕事がないところから。何もすることがなくても落ち込まず、退職は避けるべき。声をかけても反応がない時は少し休み、証跡を残して依頼(日時・宛先・内容)を伝える。それでも反応がなければ上位者に相談を。システム含め環境が変わりそうな時は早めに動く。変化後では遅い。 事例26 首都圏在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 輪状暗点、夜盲 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: 債券運用業務に従事している。 金融マーケット分析、各国の中央銀行の動向分析、月次報告書の運用コメント作成などを行っている。 また、相場会議に参加し、相場の見通しや運用戦略の策定などにも携わっている。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト ・OCRソフト ・タブレット端末 ・スマホ ・その他 デュアルディスプレイ、スキャナ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・休職して訓練を受けた。有給休暇を消化しながら訓練を受けた 苦労したこと: ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・職場関係者による支援 ・職場産業医による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 仕事でも日常生活でも、ある目的に対して正しいやり方でやってみてもうまくいかない時がある。そのような時は少し遠回りになる方法を試してみたり、複数の支援機器を併せて使ってみたり工夫するとうまくいくことがある。PCのデュアルディスプレイや骨伝導イヤホンの利用、スマホで音声読み上げができないアプリからブラウザ利用への切り替えなどを行っている。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 正しい情報を集め、自分に合った支援機器や訓練を見つけ、会社や産業医と誠意をもって話し合えば、環境調整はきっとうまくいくと思います。私はタートルや眼科医、訓練士など多くの方に支えられ、仕事を続けることができました。お先真っ暗だった中、タートルに相談したことで道が拓けました。どうか勇気を出して一歩を踏み出してほしい。そして一秒でも早く、この「情報」にたどり着いてほしいです。 事例27 首都圏在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 生まれつき見えづらかった 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 輪状暗点、夜盲 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: 全国の営業店での、営業活動及び内部管理体制のモニタリング実施。所属組織のメンバーの育成。内部管理責任者向け研修実施。社内通知文作成。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 支援機器: ・拡大読書器 ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・専任のアシスタントによるサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など) 勤務時間・通勤の配慮: ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 職域を広げるため、部署内の仕事内容の全体像を把握し、自分が関われる業務には積極的に関わっています。また、自分自身の社会的なスキルを高めるため、副業も行っています。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 就活中の方は、可能な限り多くの企業での面接を経験してください。その中で自分が働いていくためのヒントをもらえたりします。就労中の方は、限界まで今の就労を継続されることをお勧めします。これまでの経験を生かしたほうが、職域を拡大するうえでも有効だと思うからです。 事例28 首都圏在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:レーベル視神経症 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: データ入力作業 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている ・勤務時間を短縮してもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・その他 入社前に障害者職業能力開発校に通っていた。 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・システム上の問題でテレワークを認めてもらえなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・訓練施設による支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 1.自身の視覚障害に折り合いをつけること。 2.一人で考え込まずに周囲に相談すること。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 就労をするうえで大事なことは自分の障害とうまく付き合っていき、自分の都合ばかりにならず、周囲の環境も考えること。それが自身と社会と折り合いをつけることだと考えます。 事例29 首都圏在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:緑内障、網膜剥離 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: PCを使用したデータ整理、資料作成 雇用形態:その他 嘱託社員 テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・PC画面拡大ソフト 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている ・勤務時間を短縮してもらっている ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・ネット上の求人サイトによる支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 ・その他  <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 視覚補助アプリの利用、職場の同僚に現在の見え方を定期的に説明及び相談する(新しい職場では最初に説明する)。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 一人で抱え込まず、相談できるあらゆる人、組織、サービスを利用すること。 病気によっては進行性のものがあり、状況が絶えず変化するので、その都度相談すること。 新しいアプリや補助機器が日々進歩しているので、自分に役に立つものを探していくこと。 事例30 首都圏在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: 区分経理、資金繰り、諸勘定チェックなどの原票作成およびチェック、各種データの一元取得保存、マニュアル整備など、DE&I 関連施策。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート ・昼食・休憩時のサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート ・その他 障害者生活相談員による支援 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・照明上の配慮・まぶしさを軽減するための間仕切り設置等の配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・その他 退職してから訓練を受けながら就活し、中途採用に至った。 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・ハローワークによる支援 ・ネット上の求人サイトによる支援 ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・地元の支援機関・団体による支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援 ・職場関係者による支援 ・労働組合による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 自分から周囲に積極的にコミニュケーションをとる。出来る業務、出来ない業務、支援があれば出来る業務を明確にし、周囲と共有する。周囲と世間話を積極的にする。自己開示の場を作る。障害者全体のことを考える。障害者の後輩のためを考える。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 我々はあなたたちのために全力を尽くすので、あなたたちは後輩のために全力を尽くしてください。恩送り。自分で切り拓いた人生は何よりも尊く何よりも豊かだ。 事例31 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:緑内障、その他 脊髄小脳変性症 現在の見え方: 不規則性視野狭窄 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: PCを利用した簡単な入力業務や、一定条件下での督促メール発信代行業務など。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: 完全にテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: ・自分のやりたい仕事ができなくなった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 無理をしないこと・独断で判断しないこと。業務に貢献しようとする姿勢・態度を持つこと。 事例32 首都圏在住  50代女性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 求心性視野狭窄、羞明、夜盲 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: 保険会社での業務。経理、予算管理、CSR、総務全般。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・照明上の配慮・まぶしさを軽減するための間仕切り設置等の配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった ・就職活動に備えて訓練を受けた 苦労したこと: ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・地元の支援機関・団体による支援 ・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援 ・職場産業医による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 挨拶を励行する。わからないことは、効率的に聞く。 同じことを何度も聞かない、復習をする。服装、髪型、服・杖などいつも清潔を心掛ける。 権利ばかりを主張しない。会社に感謝しつつ、自分は建設的に主張する。 翌日が仕事の日は、泥酔しない。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 疾患を告知された時は病名もわからず、つらかった。 眼科医よりタートルを紹介され、たくさんの情報を得て、友人もできた。 恩送りの気持ちで、今、悩める人を少しでも楽にしてあげたい。若い人につなげていきたい。 事例33 首都圏在住  50代女性 身体障害者手帳等級: 5級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:緑内障 現在の見え方: 中心暗点、片目のみの視機能の低下 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 三療(あはき)職 具体的作業内容: 社員の方のマッサージをする仕事である 雇用形態:契約社員 テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・白杖 ・ルーペ・拡大鏡 支援機器: 支援機器は使用していない 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった 有用だったこと: ・訓練施設による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 最初は理解されないのでは?と言いづらかったが、配慮やお願いは自分からきちんと言葉にするようにしている。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 目が悪くなる前から勤めている職場に今もまだ勤務中であれば、極力辞めずに勤められることを模索した方が良いと個人的には思う。 部署替えや補助器具等の活用など、できることをしてみてほしいと思う。 事例34 首都圏在住  60代以上女性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 不規則性視野狭窄、夜盲 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 三療(あはき)職 具体的作業内容: グループ会社の社員に対して福利厚生のあんま、マッサージ1枠40分。 P C資料作成、カルテやシフト、プレゼン準備など。 雇用形態:契約社員 テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・照明上の配慮・まぶしさを軽減するための間仕切り設置等の配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・残業は免除してもらっている ・勤務時間を短縮してもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・特別支援学校などの在学中に訓練を受けた 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった 有用だったこと: ・ハローワークによる支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・地元の支援機関・団体による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 自分の身体ケア、朝のストレッチや湯船に入る、充分な睡眠。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 自分がどのようにして働きたいのかを見つめること。決まっているなら声に出し続けること。チャンスがあるならば準備して挑む。 事例35 首都圏在住  60代以上男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:視神経疾患、網膜剥離 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 営業職 具体的作業内容: 委託している代理店への営業、いわゆるルートセールス 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・大画面のPCモニター ・タブレット端末 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 職場の仲間との良い関係を維持すること。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 職場内で何か得意なことを見つけて他者貢献するというモチベーションがあれば、きっとうまくいくと思います。 事例36 首都圏在住  60代以上女性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 求心性視野狭窄、羞明、夜盲 勤務先の業種: 金融・保険業 職種: 事務職 具体的作業内容: 名簿作成、社員配付物発注 雇用形態:契約社員 テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・タイポスコープ ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・大画面のPCモニター 人的支援の状況: ・会議室など社内の移動の際のサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・エレベーターなど、職場までのアクセス上の配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった 有用だったこと: ・訓練施設による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 所属部署内で、サポートや協力をしてもらえる環境づくり。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 絶望せず、1人で悩まないで助けを周りに求めてほしいです。