事例5 首都圏在住  30代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 20代 疾患名:レーベル視神経症 現在の見え方: 中心暗点、その他 中心暗点で、周辺視野は目前でぼんやり、ものの動きや光がわかる程度 勤務先の業種: 製造業 職種: 事務職 具体的作業内容: ダイバーシティを推進するグループに所属しており、障害者雇用の採用実務や各種関連セミナーの企画実施等を担当しています。 雇用形態:契約社員 テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート ・昼食・休憩時のサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・エレベーターなど、職場までのアクセス上の配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・適当な訓練施設が居住地の近辺にはなかった 有用だったこと: ・ネット上の求人サイトによる支援 ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・地元の支援機関・団体による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 資格取得や研修受講等スキルアップ、職場内での良好な関係構築を心掛けています。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 私は21歳と若い時に病気により視力を失いました。まだ若かったので将来に絶望もしましたし、今でも悩むことや苦労することも多くあります。そんな中でも家族や友人、眼科医や関連団体の方々、そして明るい当事者の皆さんに勇気づけられ前へ進むことができています。 助けてくれる人は必ずいますので、是非いろいろな人を頼ってください。 事例6 首都圏在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 20代 疾患名:網膜剥離 現在の見え方: 不規則性視野狭窄、夜盲 勤務先の業種: 製造業 職種: 技術職・研究職 具体的作業内容: 開発設計業務とは、製品やシステムの仕様を決定し、設計図を作成して機能・品質を実現する業務であり、特許提案、輸出管理、環境配慮も含まれます。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: 支援機器は使用していない 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート。現場へ出張時は付き添いを用意 環境上の配慮: ・その他 会議中、スクリーンに一番近い席を確保。寮は交通の便が良いところに変えてもらった。更衣室のロッカーは出入り口に近いところに変えてもらった。 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: 苦労したことはない 有用だったこと: 特になし <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> ・マウス操作に頼らないキー操作の活用、Excelでの行の色分け等による見やすい、記入しやすい工夫など、ロービジョンを補うための様々な工夫。・関係部署・取引先等との良好な人間関係づくり。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 障害があるかどうかが幸不幸を決めるのではなく、それを乗り越えようと挑戦できるかどうかが幸不幸を決めると思います。 事例7 首都圏在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:その他 水頭症 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 製造業 職種: 事務職 具体的作業内容: 他の社員(正眼者)と同様にPCを主体に業務を遂行している。業務内容は配慮してもらっているが、企業のESG経営に関する分析(企業毎に10P程度の報告書を作成)や企画業務、サステナビリティー推進業務等。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・その他 有料版アクロバットリーダー等の業務に必要なPCツールの契約 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・休職して訓練を受けた 苦労したこと: ・その他 習得した業務遂行能力を正当に評価してもらえず、会社が復職に否定的であった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 ・その他 雇用契約や就労継続に関する法的根拠や考え方について、労働基準監督署や弁護士に アドバイスを受けた。 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> まず、特殊ツール含むPC操作や、単独での通勤等、難易度はどうであれ自分の努力でどうにかなることはどんなに苦労をしてでも技術を習得するようにしている。また、読み上げ非対応のPDFの存在やキーボードのみでは操作が完結しない特殊ツールの存在等、業務に直接影響する視覚障害者特有の困り事については、職場関係者に共有し、必要に応じてシステム部門の支援を受けている。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 私は入社以来営業畑だったが、数年前に突然全盲となり、復職後は今までの経験を生かし、主に企画業務に従事している。視覚障害者とデジタルの親和性は非常に良いので、事務職であればAI含めたITの急速な発展でますます我々視覚障害者も正眼者と同じ土俵で業務できるようになってきていると感じる。ただそれには技術習得のための絶え間ない努力が欠かせないが、努力は報われると信じて共に頑張っていきましょう! 事例8 東海在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:緑内障 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 製造業 職種: 事務職 具体的作業内容: データの加工作業 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: 完全にテレワーク 視覚補助具: ・白杖 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・OCRソフト ・スマホ 人的支援の状況: ・サポートは受けていない 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・有給休暇を消化しながら訓練を受けた 苦労したこと: ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 見え方の度合いによって、活用できる機器や支援を利用していくことが、仕事だけでなく生活する上で大事だと感じています。人間関係は、特に気を配っているつもりです。支援や配慮が必要な状況で働き続けるには、周りの方々の協力や理解が大事。見えにくくなったことで、特に感じたことです。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 何事も恐れず、あきらめないでください。見えにくい、見えづらいことからくる不安や不満など視力が低下していくことで、できることができなくなります。そんな中でもできる事を探し、一歩ずつ、今できることを増やしていくことが、これからの生きる力になると思っています。 事例9 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 10代 疾患名:網膜色素変性症、その他 右眼は外傷による網脈絡膜萎縮 現在の見え方: 中心暗点、求心性視野狭窄、輪状暗点、羞明、夜盲 勤務先の業種: 製造業 職種: 事務職 具体的作業内容: 営業の支援業務。社内業務の検索システムの管理メンテナンス事務局。また、会議等の事務局として、議題とりまとめや議事メモ作成。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: 完全にテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト ・OCRソフト ・タブレット端末 ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・その他 フル在宅にしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・休職して訓練を受けた ・有給休暇を消化しながら訓練を受けた 苦労したこと: ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった ・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・職場関係者による支援 ・職場産業医による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> まず情報を集め、自分の見え方に応じてできることを増やすよう努力している。その上で、見え方や支援機器を使っても難しいことを具体的に伝え、周囲の理解とサポートが得られるよう働きかけている。理解には個人差があるため、無理をせず折り合いをつけながら取り組んでいる。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 困った時こそ一人で抱え込まず、周囲に相談しながら前に進んでほしい。仲間と繋がり情報を得ることで、克服できることも増え、できないことも受け入れられる場合が多い。そのためにも複数のコミュニティと繋がり、拠りどころを持つことが大切だと考える。 事例10 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 製造業 職種: 技術職・研究職 具体的作業内容: 特許の創生、育成、活用。新しいアイデアを考え、アイデアシートを作成し部内で議論、アイデアを固め、執筆者と打ち合わせ、図面と明細書を作成してもらう。日本、米国、中国の特許庁へ出願、特許を成立させる。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・OCRソフト ・スマホ ・その他 立体コピー機 人的支援の状況: ・専任のアシスタントによるサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった ・休職して訓練を受けた 苦労したこと: ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・適当な訓練施設が居住地の近辺にはなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 他の社員との比較をしない。自分がこなせる仕事を確実にこなす。その上で業務遂行にあたり問題が生じた場合には、上司に相談をし、解決できるように働きかける。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 中途での視覚障害はとても大変だが、現在働いている職場を辞めたりせず、なんとかしがみついて働いていこうとする気持ちが大事。そのような気持ちがあれば、周囲の方も協力してくれるはず。もちろん自分の努力も大切だが…。 事例11 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:緑内障 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 製造業 職種: 技術職・研究職 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・タイポスコープ ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト ・OCRソフト ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・照明上の配慮・まぶしさを軽減するための間仕切り設置等の配慮。災害発生時を考慮して、柱の角を認識するために、目立つクッションを付けてもらっています。 勤務時間・通勤の配慮: ・その他 視覚障害としての配慮ではないが、残業時間の上限を通常よりも少ない時間に制限してもらっています。 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった ・その他 学んだスキルを使えるようになるため、定期的に「初心者に教える」という方法で、知識を深めた。また、NVDAエキスパート認定制度を利用し、資格を取得することで、知識とスキルの確認を行なった 苦労したこと: ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・担当業務が音声PCスキルを習得してもできる仕事ではなかった ・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった ・その他 配属された部署で、自分が出来る仕事を見つけて、認めてもらうまでの手探り作業が大変だった。待っていても、やりがいのある業務を会社が見つけてくれるということは無かった。 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援 ・職場関係者による支援 ・その他 職場における、当事者のコミュニティでの情報交換が励みになりました。 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 会社も、自分も、全てにおいて前例がないので、一つずつ手作りをしていくようなつもりでいます。前例は会社の外にあるので、社外セミナーから情報を得るようにしています。中途視覚障害なので、自分のイメージしている感覚のとおりに物事が進まない時が多々ありますが、それを受入れて、確実に前を向いて前進できるように努めています。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 多様性、ユニバーサルデザイン、インクルーシブデザイン、アクセシビリティといったキーワードによって、世の中は確実に働きやすい環境に近づいて行くと思います。誰にでも使いやすい世の中が実現するのを待つのではなく、作り出す担い手として、会社と個人がウインウインの関係を築いていってもらいたいと思います。世の中は、デジタル・“アクセシビリティネイティブ”を求めています!全ての望みがかなうことを祈っています。 事例12 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 20代 疾患名:緑内障、網膜剥離 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 製造業 職種: 事務職 具体的作業内容: 東京事業所管理部門の課長職。総務・人事・経理・秘書全般。事業所労務担当。衛生委員会、労使協議会事務局。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・ルーペ・拡大鏡 ・単眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト ・OCRソフト 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・昼食・休憩時のサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった ・週末の休日または夜間を利用して自費で訓練を受けた 苦労したこと: ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援、タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・ジョブコーチなど、障害者職業センターによる支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援 ・職場関係者による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 感謝の気持ち。「あせらず・あわてず・あきらめず」。自身を大切にする。多方面から物事を考える。 <後に続く仲間に伝えたいこと> まずは自分を大切に。謙虚は大事だが、卑下しない。周囲への感謝の気持ちを忘れない。今、自分の課題に集中する。 事例13 首都圏在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 20代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 製造業 職種: 事務職 具体的作業内容: 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・ルーペ・拡大鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・OCRソフト 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・その他 有給(在宅勤務扱い)で自宅を拠点に職業訓練などを受けたが、経費は自費でという条件だった。 苦労したこと: ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・適当な訓練施設が居住地の近辺にはなかった ・その他 前例がないという点が一番大変だったし、それを切り拓くのが一番の苦労だった。 有用だったこと: ・訓練施設による支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 人が集まるところには、社内外であろうがなかろうが積極的に出て行く姿勢が何よりも大事だと思う。 やれないことは「やってみなければわからない」というチャレンジ精神が何よりも大事! <後に続く仲間に伝えたいこと> 目が不自由になったくらいで仕事をやめたり絶対にするな!何とかなる!! 事例14 首都圏在住  60代以上男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 製造業 職種: 技術職・研究職 具体的作業内容: 企業の研究所の主任研究員として、研究テーマの立案、予算獲得、推進、特許・論文執筆、学会発表などを行うこと。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・その他 パームチップ 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・OCRソフト ・その他 スキャナ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・専任のアシスタントによるサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート ・その他 図面や発表資料作成のサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・自席への誘導ブロックの敷設(貼り付けるタイプの誘導ブロックを廊下や構内に貼ってもらった) ・その他 柱の角など危険個所へのクッション材の貼り付け 勤務時間・通勤の配慮: ・その他 フレックスタイムが会社に導入されているので、適宜使っていた。 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった ・有給休暇を消化しながら訓練を受けた 苦労したこと: ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・職場関係者による支援 ・その他 都盲協の歩行訓練士から、四谷の訓練施設を紹介していただき、そこでタートルや、同じ会社の視覚障害者をご紹介いただいたことが大きかった。 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 見えないことを言い訳にせずに、働き続けられるように、関係者からの情報収集や、自らの工夫、職場の上司や同僚とのコミュニケーションを心掛ける。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 一人で悩んでいても進まないので、タートルの仲間など、同じ視覚障害者との関係を大切にして相談や情報収集を行うことが大切であると思う。 日々の努力が見えないあなたの世界を拓きます。 事例15 首都圏在住  60代以上男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:緑内障 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 製造業 職種: 事務職 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・遮光眼鏡 ・ルーペ・拡大鏡 ・単眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト ・OCRソフト ・タブレット端末 ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・社外でのイベント、懇親会でのサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・有給休暇を消化しながら訓練を受けた 苦労したこと: ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 見えにくいことにこだわるのではなく、自分自身の経験とスキルで職場にどういう形で貢献できるかの視点で仕事をすること。また、できないこと、できても時間がかかることなどを、ギブアンドテークで同僚にお願いしていくこと。あるいは、お願いできるような人間関係を作ることに注力することを心掛けていました。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 見えない、見えにくくなっても働いている、働き続けている視覚障害者が大勢いることを知ってほしいし、つながってほしいと思います。仕事ができないと孤立したり悩んでいる視覚障害者を少しでも減らすために情報発信していきたいと思います。 事例16 首都圏在住  60代以上男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:緑内障、角膜疾患 現在の見え方: 不規則性視野狭窄、その他 右眼のみ 水疱性角膜症にて全盲 勤務先の業種: 製造業 職種: 技術職・研究職 具体的作業内容: 自動車部品製造における品質保証業務(パソコンでの文書とフローチャートの作成・プレゼンテーション・コンサルティング) 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: テレワークなし 視覚補助具: ・ルーペ・拡大鏡 ・単眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・拡大読書器 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・通勤時のサポート 環境上の配慮: ・職場内の階段を見やすくする配慮、手すりの設置など 勤務時間・通勤の配慮: ・勤務時間を繰り上げまたは繰り下げてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・有給休暇を消化しながら訓練を受けた 苦労したこと: ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・懸命に頑張っても効率が上がらず残業が増えて消耗した ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・支援機器に対する各種助成金、無償貸出制度の利用 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 通勤は家族の協力で車で職場に送迎してもらった。休日に自宅で職場で出来なかった業務をしていた。 ラジオで耳から経済や時事問題を得ていた。職場の同僚とのコミュニケーションを良くして、書類の読み上げ等に協力をしてもらった。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 就労を諦めず、工夫して働き続けることで、社会や人との繋がりを持ち続けられると感じる。前職を65歳まで勤め上げ、現在コンサル会社に再就職出来たのも、周囲のおかげだと感謝している。