事例102 首都圏在住  40代男性 身体障害者手帳等級: 3級 不自由を感じたのは: 30代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 不規則性視野狭窄、夜盲 勤務先の業種: 学術研究、専門・技術サービス業(研究機関、法律事務所、会計事務所、デザイン事務所、コンサルティング会社など) 職種: 技術職・研究職 具体的作業内容: 広告の制作 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・遮光眼鏡 支援機器: ・支援機器は使用していない 人的支援の状況: ・サポートは受けていない 環境上の配慮: ・受けていない 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> パソコンはマウスではなくペンタブレットを使用します。カーソルが見つかりやすいため。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 私は進行が遅いほうだと思います。見えにくくなる準備をしながら、好きな仕事をすることが大事だと思います。 事例103 関西在住  50代男性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 40代 疾患名:緑内障 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 学術研究、専門・技術サービス業(研究機関、法律事務所、会計事務所、デザイン事務所、コンサルティング会社など) 職種: 事務職 具体的作業内容: 在宅勤務を中心に情報収集活動を行い、関係者間で情報共有しています。内容は、視覚障害者の雇用、就労支援に関わる情報を、関係団体・機関が主催する講演会に参加するなどして網羅的に収集しています。 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・社内ネットワーク上の配慮(情報アクセシビリティ上の配慮など) 勤務時間・通勤の配慮: ・残業は免除してもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった 苦労したこと: ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・上司など、職場の人間関係がうまくいかなかった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった 有用だったこと: ・眼科医・視能訓練士による助言・支援 ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・支援機器・ソフトウエアなどの販売業者による支援 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 諦めずに自分にできることに積極的に取り組み、その姿勢で信頼を得ること、さらに能力や支援機器のスキルを高めることが大切です。そのためには、ビジョンを描き、熱意を持ってミッションに挑戦することが必要です。この積み重ねがモチベーションや自信につながり、継続的な就労を可能にすると考えます。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 視覚障害当事者による就労事例を参考に、ご自身に合った業務生産性を高める工夫等の情報をヒントに活用ができるよう挑戦していただければ、新たな展開が開けるのではないかと思います。是非、諦めずに仲間がいるということを心のよりどころにして、社会参加に一緒に挑戦していただければと思います。 事例104 首都圏在住  50代女性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 10代 疾患名:緑内障、黄斑疾患 現在の見え方: 中心暗点 勤務先の業種: 学術研究、専門・技術サービス業(研究機関、法律事務所、会計事務所、デザイン事務所、コンサルティング会社など) 職種: 技術職・研究職 具体的作業内容: データ分析、システム環境構築 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ほとんどテレワーク 視覚補助具: ・白杖 ・ルーペ・拡大鏡 ・単眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・PC画面拡大ソフト ・タブレット端末 ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート 環境上の配慮: ・その他 打ち合わせ時に、対面でもTeamsを使って手元で見られるようにしてもらっている。 勤務時間・通勤の配慮: ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・週末の休日または夜間を利用して自費で訓練を受けた 苦労したこと: ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・地元の支援機関・団体による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 今までと同様には仕事ができないので、自分でできることをなるべく見つけるようにしています。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 業務システムをスクリーンリーダーがうまく読めないなど、いろいろご苦労があるかと思います。なるべく情報を集め、周囲と協力しながら、働き続けて行っていただければと思います。 事例105 首都圏在住  60代以上女性 身体障害者手帳等級: 1級 不自由を感じたのは: 10代 疾患名:網膜色素変性症 現在の見え方: 全盲 勤務先の業種: 学術研究、専門・技術サービス業(研究機関、法律事務所、会計事務所、デザイン事務所、コンサルティング会社など) 職種: 事務職 具体的作業内容: 庶務・総務全般、衛生委員会全般とりまとめ、健康経営度担当、入退社に関わる処理等 雇用形態:契約社員 テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・白杖 支援機器: ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート ・昼食・休憩時のサポート ・社外でのイベント ・懇親会でのサポート ・通勤時のサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 ・エレベーターなど、職場までのアクセス上の配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・受けていない 訓練受講に際しての配慮: ・研修扱いまたは公務扱い・職務免除扱い、特別休暇扱いで受けさせてもらった ・週末の休日または夜間を利用して自費で訓練を受けた 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・職場のシステムの一部が音声PCではうまく動作しなかった ・システム上の問題でテレワークを認めてもらえなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 ・訓練施設による支援 ・職場関係者による支援 ・家族による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> できることを探し続け、普段の何気ない会話や就労時間外の集まりにも積極的に参加し、相談しやすい職場環境づくりに努めてきました。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 話しかけられるのを待つのではなく、自分から挨拶や会話をして周囲と良好な関係を築くことが大切だと思います。大変な時も明るくしていれば自然と声をかけてもらえる気がします。スキルも大事ですが、一番はどれだけコミュニケーションがとれるかだと思います。 事例106 首都圏在住  60代以上男性 身体障害者手帳等級: 2級 不自由を感じたのは: 10代 疾患名:網膜剥離、その他 白内障、ぶどう膜炎 現在の見え方: 中心暗点、不規則性視野狭窄、片目のみの視機能の低下、夜盲 勤務先の業種: 学術研究、専門・技術サービス業(研究機関、法律事務所、会計事務所、デザイン事務所、コンサルティング会社など) 職種: 事務職 具体的作業内容: 部門内メンバーの業務で使用するPC及びソフトウェアの準備、手配、ライセンス管理など 雇用形態:正規社員(職員) テレワークの状況: ときどきテレワーク 視覚補助具: ・遮光眼鏡 ・PC画面による調整(拡大・色反転など) 支援機器: ・大画面のPCモニター ・PC画面読上げソフト(スクリーンリーダー) ・タブレット端末 ・スマホ 人的支援の状況: ・周囲の同僚によるナチュラルサポート ・会議室など社内の移動の際のサポート 環境上の配慮: ・レイアウトの配慮 勤務時間・通勤の配慮: ・テレワークを増やしてもらっている 訓練受講に際しての配慮: ・訓練は受けていない 苦労したこと: ・視覚障害というだけで就職先がなかなか見つからなかった ・中途で視力が低下したが、職場の配慮がなかなか得られなかった ・急速な視機能の低下に、自分の気持ちがついていけなかった ・自分でもどうしたらよいのかわからなかった ・自分のやりたい仕事ができなくなった ・上司や同僚に自分の見え方をなかなか理解してもらえなかった 有用だったこと: ・タートルなど当事者団体による支援 <働き続ける上で、工夫していること、心掛けていること> 不得意な業務でも、どこかしら楽しめることを探してこなすよう努めた。 <後に続く仲間に伝えたいこと> 同じ業務を対応しても、自分が関わったことで他者が出来ない結果、他者が喜ぶような結果になるような工夫をしていただきたい。内容に評価はなくても、一定の達成感は得られるはずですので。